2018年9月2日日曜日

今日の海 9


村松浜にて

  昨日、久しぶりに海に行ってきた。今年の3月に行ったきりだから、約半年ぶりの海。場所は新潟県胎内市にある村松浜である。目的は主にビーチコーミングだ。
   海水浴シーズンも終わり、そろそろ駐車場も空いてるだろうと思って来てみたら、ご覧の有り様。
   他にも駐車場があるのだが、どこも車でいっぱいだった。なんとか隙間に自分の車を停めて浜に下りてみる。  
   下の写真の犬を連れた女の人にどうしてこんなに人が集まっているのか訊いてみたら、「ダイワの大会」があると言う。ダイワというのは大手の釣具メーカーである。つまり釣具メーカー主宰の釣りの大会があるらしい。
   しまった。あらかじめ調べておくんだった。
  右を見ても左を見ても釣り人だらけ。これじゃロクなもんは残って無いだろう。それにじっくり漂着物を探し回るのも難しい。竿を放り回している傍に近付いたらこちらが怪我をしかねない。
   昨シーズンはこの浜でドラゴンボール(ガラス浮き)を7つ拾う事が出来た。今シーズンもその位は手に入れたいのだが、出だしから躓いたわけだ。

   どうせ何も無いだろうと思いながらも、せっかく来たのでとりあえず釣り人の邪魔にならないように歩いてみた。

   天気は朝まで降っていた雨がちょうど止んだ所で、絶好のビーチコーミング日和。この時季、もし晴れていたら熱中症で死んでいたかも知れない。波も風も静かで穏やかだ。


   しばらく歩くとイカの甲を発見。いつもならスルーするのだが、今飼っているカタツムリ達のカルシウム源として使えるのでお持ち帰り。



   白樺浮き。網ごと大量にうち揚げられているが、使用者についての手懸かりは無し。一体誰がどこで使っている物なんだろう。
   網を切る為のナイフを携帯していたので、ばらして白樺浮きだけ持ち帰る事も出来たのだが、この海岸では特に珍しくもないのでそのままに。でも将来的には貴重な物になるかも知れない。



野性のオカヒジキ。
多分固くて食べられないと思う。



   村松浜を藤塚浜の方にどんどん歩いて行くと、そのうち目障りな釣り人達がいなくなった。しかし浜にあるのは要らないゴミばかりでめぼしい物は何も無い。雨がまたパラパラと降りだして服を濡らしたが、寒くはない。ここに来る途中コンビニで買った焼きそばパンを食べながらひたすら歩く。子供の頃「立ち食いしたら駄目よ」と母親から言われた記憶があるが、自分は上流階級の出身では無いのでそんな事は気にしない。



   とうとう終点の藤塚浜の落堀川に着いてしまった。そこに待っていたのはなんと、
  季節外れのオオハクチョウが2羽。
   近付いても全く逃げない。経験上あまり近付き過ぎると嘴で攻撃される事もあるので適当な距離を置いたが、どうしてこの季節にこんな所にいるんだろう。渡りの時期に怪我をして飛べなかったのだろうか。
   でもなんかここまで歩いて来た苦労が少し報われたような気がした。
   いや、はじめからこっちに車を停めた方が良かったか?
   家に帰ってから調べてみたら、どうもオオハクチョウじゃなくてコブハクチョウっぽい。オレンジ色の嘴が特徴らしい。だとすると迷鳥か、あるいは飼鳥が逃げ出したものだろう。コブハクチョウを見たのは多分初めて。


   そして、何も無かった浜辺をとぼとぼと歩いて帰る自分。あーあ、今日もまた坊主か、と思って大分歩いた頃、



「あるやん」



  ドラゴンボールじゃなくて仙豆(せんず)だけど。
   この仙豆、正確には「ヒメモダマ」と言うらしい。沖縄にも自生しているそうだ。半分砂に埋もれていたので、「どうせ石ころやろ」と思いながらも念のため掘り起こしてみたら、石ころじゃなかった。今まで村松浜ではモダマ類は3個しか拾った事がない。ドラゴンボールよりもレアなお宝である。しかもヒメモダマはこれが初めて。どうやら往路では見逃していたらしい。と言うか、釣り人がいて探せなかった場所だろう。やっぱり歩いて来て良かった。
   家に帰ってから大きさを測ってみると、約50×43×16mmだった。




    さて、仙豆を拾って食べて元気100倍になった所で、ちょっと海辺の町を散策してみる事にした。


   住宅地をしばらく歩いて行くと立派な鳥居が見えた。

   傍には石碑が建っていて、そこには「中条町文化財  金刀比羅神社本殿」と彫られている。
   ちなみに中条町は2005年に黒川村と合併して胎内市になっている。



   境内の周りを囲むお堀には亀が泳いでいた。
 ここの亀達は人を見ると寄って来る。多分誰かが餌付けしてるんだろう。種類はクサガメとアカミミガメ。イシガメもいたかも知れないが確認出来なかった。
   あと、錦鯉も沢山いた。本来はこちらがメインなのかも知れない。



   参道を上り、ガラス張りの拝殿にお参りする。
最近こういう神社仏閣が増えたな。




   その後、車に戻る途中で普通の住宅の石塀の前にドラゴンボールを発見。
   左にある石のボールが無闇にでかいので分かりにくいが、これでも30㎝位あった。他人の家の物なので拾って帰る訳にはいかなかったが、見れただけでもちょっと嬉しい。


   まあとにかく、昨日は久しぶりに海辺の散策を堪能出来た1日だった。

2 件のコメント:

さんのコメント...

新潟の海でモダマを拾われたのですね。どんな旅をしてきたモダマだったのでしょう?確かにそのあたりなら、ガラス浮きの方が珍しくないでしょう。今でも北海道ではたくさん拾えるそうですから。

白樺浮きを拾わないなんて考えられません!私は今ではたくさん持っていますが、昔は大きな憧れでした。メノウより嬉しいかもしれない(笑)。かわいいじゃないですか。
ロシアと北朝鮮で使われているらしいのですが、詳細は不明です。でも、一つ一つ木の皮をはいでつくっているところが素晴らしい!

かねぽん さんのコメント...

春さん、新潟の海岸で拾えるガラス浮きのほとんどは韓国製で、偏西風にのって冬にうちあがります。一方でモダマは東南アジア方面から台風の影響で夏から秋にやって来る物が多いようです。屋久島や沖縄にも自生するモダマやヒメモダマの他に、アツミモダマも拾った事があります。
白樺浮きは、多分作る人も使う人もいなくなったら興味が涌いてくるでしょう。最近はプラスチックごみの海洋生物への影響がやっとニュースでも取り上げられるようになって、今後白樺浮きの需要が伸びる可能性だってあると思いますよ。