2025年9月30日火曜日

星蜂雀羽化

 



ホシホウジャク
Macroglossum pyrrhosticta

鱗翅目スズメガ科Macroglossum属。成虫は日中、花の蜜を吸う。幼虫はヘクソカズラやアカネの葉を食べる。1年に2~3回発生する。越冬態は不明だが温暖な地域では冬でも成虫が見られる。




▲今朝、飼育ケースの中でホシホウジャクが羽化していた。自宅前に生えているヘクソカズラで採集したホシホウジャクの幼虫達の中でこれが最初の1匹目だ。昨夜1時頃にはまだだったので、未明のうちに羽化したのだろう。蛹の期間は2週間位だった。





▲前翅長約23mm。ホシヒメホウジャク程ではないがかなり小さい。外見はクロホウジャクとそっくりだが、ほとんどの場合大きさで見分けられるはずだ。もっとも最大級のホシホウジャクと最小のクロホウジャクは同じ位の大きさなのかも知れないが。






▲もう少しじっくり撮影したかったのだが、翅をしばらく震わせた後、すぐに飛び立ってしまった。ホシヒメホウジャクの時は羽化から飛び立つまでもっと時間がかかったのに。



かねぽんのスズメガ図鑑のホシホウジャクの写真を差し替えました。







梨剣紋夜蛾

 


ナシケンモン
Viminia rumicis

鱗翅目ヤガ科ケンモンヤガ亜科Viminia属。幼虫は広食性。年2〜4回発生し、蛹で越冬する。



▲昨晩、自宅の外灯に飛来したナシケンモン。






▲カラスヨトウ(Amphipyra livida corvina)。幼虫は広食性。年1化で成虫越冬。ヤガ科カラスヨトウ亜科






▲クロフトビイロヤガ(Xestia fuscostigma)。幼虫は広食性で様々な草本を食べる。年2化。ヤガ科モンヤガ亜科






▲キシタミドリヤガ(Xestia efflorescens)。
幼虫は広食性。年1化。幼虫越冬。ヤガ科モンヤガ亜科。







▲クロオオモンエダシャク(Microcalicha fumosaria fumosaria)の雌。幼虫はニシキギ科木本の葉を食べる。年2回発生。シャクガ科エダシャク亜科






▲オオアメバチOphion luteus)。鱗翅類の複数種(欧州ではセンモンヤガとカブラヤガ、日本ではヨトウガやウスオビヤガ、クロスジカギバ)の幼虫に捕食寄生する。膜翅目ヒメバチ科アメバチ亜科アメバチ属。





2025年9月29日月曜日

背条天蛾の蛹

 


セスジスズメ
Theretra oldenlandiae oldenlandiae

    鱗翅目スズメガ科コスズメ属。幼虫はサトイモやカラスビシャク、ヤブガラシ等の葉を食べる。1年に2~3回発生し、蛹で越冬する。



▲近所のサトイモ畑で採集したセスジスズメの幼虫のうち1匹が蛹になった。今年中に羽化するのか、このまま越冬するのかは分からないが、余計な事は何もしないで様子を見てみようと思う。他の幼虫達もそのほとんどが蛹化の前段階に入っており、まだ餌を食べているのは1匹だけになった。


かねぽんのスズメガ図鑑にセスジスズメの蛹が追加されました。







▲先日、自宅の敷地で採集したエビガラスズメの幼虫2匹は順調に成長している。最初に見付けた4齢幼虫は脱皮して終齢になり、2番目に見付けた終齢幼虫はプリプリになって、蛹化寸前まで来ている。







▲近所でエビガラスズメの新たな棲息地を発見した。マルバアサガオを食べる緑色型の4齢幼虫。





▲それと褐色型の終齢幼虫がいた。
エビガラスズメ(Agrius convolvuli)もスズメガ科。幼虫は主にヒルガオ科草本の葉を食べる。年2~3回発生し、蛹で越冬する。成虫は夜間に訪花吸蜜し、その口吻は日本産の昆虫類で最も長い。







黒斑鳶色夜蛾

 



クロフトビイロヤガ
Xestia fuscostigma

鱗翅目ヤガ科モンヤガ亜科Xestia属。幼虫は広食性で様々な草本を食べる。年2化。




▲昨晩、自宅の外灯に飛来したクロフトビイロヤガ。






▲キシタミドリヤガ(Xestia efflorescens)。
幼虫は広食性。年1化。幼虫越冬。ヤガ科モンヤガ亜科。






▲オオバコヤガ(Diarsia canescens)。幼虫は広食性で様々な草本を食べる。年2化。幼虫で越冬。ヤガ科モンヤガ亜科。




▲フタヤマエダシャクRikiosatoa grisea)の雌。 幼虫はアカマツの葉を食べる。年2化で、幼虫越冬。シャクガ科。






▲オオアメバチ(Ophion luteus)。ヤガ科の複数種(欧州ではセンモンヤガとカブラヤガ)の幼虫に捕食寄生する。膜翅目ヒメバチ科アメバチ亜科アメバチ属。





▲同じオオアメバチ個体。この写真の方が翅脈が分かりやすい。








▲コカマキリStatilia maculata maculata)の雄。蟷螂目カマキリ科。





▲ノシメトンボSympetrum infuscatum)の雄。蜻蛉目トンボ科アカネ属。






2025年9月28日日曜日

海老柄天蛾の三齢幼虫




エビガラスズメ
Agrius convolvuli

   鱗翅目スズメガ科Agrius属。幼虫は広食性で様々な双子葉植物の葉を食べるが、ヒルガオ科の草本で見つかる事が多い。年2~3回発生し、蛹で越冬する。成虫は夜間に訪花吸蜜し、その口吻は日本産の昆虫類で最も長い。



▲エビガラスズメの終齢(5齢)幼虫。先日エビガラスズメを見付けた近所のマルバアサガオにまだ幼虫がいた。この前と比べてますます巨大になっている。





▲エビガラスズメ終齢2匹目。





▲エビガラスズメ終齢3匹目。先日は緑色型1匹と褐色型2匹がいたのだが、今日は緑色型ばかり3匹になっていた。






▲エビガラスズメの3齢幼虫もいた。ちょっと見ただけで少なくとも3匹はいたので、実際はもっといるのだろう。でも今から成長して、冬が来る前に蛹になれるのだろうか。





▲他に、別の種類の幼虫もいた。多分キンウワバ類だと思うが、資料がないのでよく分からない。あまり興味も無いので今回はスルーする事にした。






烏夜盗蛾

 



カラスヨトウ
Amphipyra livida corvina

鱗翅目ヤガ科カラスヨトウ亜科Amphipyra属。幼虫は広食性。年1化で成虫越冬。



▲昨晩、自宅の外灯に飛来したカラスヨトウ。







▲オオバコヤガ(Diarsia canescens)。幼虫は広食性で様々な草本を食べる。年2化。幼虫で越冬。ヤガ科モンヤガ亜科。








▲マエアカスカシノメイガPalpita nigropunctalis)。幼虫はモクセイ科木本の葉を食べる。年2〜3回発生する。寒冷地での越冬態は不明だが、暖地では成虫で越冬する。ツトガ科ノメイガ亜科。






▲マメノメイガ(Maruca vitrata)。幼虫はマメ科の花や鞘、未熟種子を食べる。年3化。幼虫越冬。ツトガ科ノメイガ亜科。







2025年9月27日土曜日

斜紋夜盗蛾

 


ハスモンヨトウ
Spodoptera litura

  鱗翅目ヤガ科モンヤガ亜科Spodoptera属。幼虫は広食性で、多種多様な農作物の害虫。1年に数回発生するが、耐寒性が低く寒冷地では越冬出来ない。



▲自宅庭で見付けたハスモンヨトウ。ヨモギの葉の上で休んでいた。従来はヤガ科ヨトウガ亜科だったが、このブログではヤガ科モンヤガ亜科にしている。最新の分類体系については下記の図書も参考にした。









世界の蛾
著者 デイヴィッド・L・ワグナー
日本語版監修  屋宜禎央・千代田創真
訳 矢能千秋

2025年9月30日  初版発行
株式会社河出書房新社



▲2025年4月22日に米国のPrinceton University Press(プリンストン大学出版局)から発行された「Moths of the World: A Natural History」の日本語版。著者のDavid L. Wagner氏は米国にあるコネチカット大学で生態学と進化生物学の教授をしている昆虫学者。この本には世界の蛾の美しい生態写真に最新の知見に基く解説が添えられている。特に分子データによる最新の分類体系は、蛾という生物の全体像を知る上で必要不可欠な知識であり、現段階でこの本はそれを把握出来る数少ない紙の書籍だと思われる。





細帯脚太朽葉蛾

 


ホソオビアシブトクチバ
Parallelia arctotaenia

鱗翅目トモエガ科トモエガ亜科Parallelia属。幼虫は、バラやウバメガシ、カキバカンコノキ、トウゴマ、サルスベリ等の葉を食べる。年2化。蛹で越冬する。



▲昨晩、自宅の外灯に飛来したホソオビアシブトクチバ。初めて見る蛾。薔薇の害虫らしい。従来はヤガ科シタバガ亜科だった。






▲ヨツボシホソバLithosia quadra)の雄。幼虫は毒針毛を持ち、地衣類を食べる。年2化で、幼虫越冬。トモエガ科ヒトリガ亜科。従来はヒトリガ科コケガ亜科だった。ウンナンヨツボシホソバ(Lithosia yuennanensis)の可能性もあり。








2025年9月26日金曜日

蝶と蛾とその他

 

キアゲハ
Papilio machaon  hippocrates

  鱗翅目アゲハチョウ科アゲハチョウ属。幼虫は主にセリ科の草本を食べる。年2~4化で蛹態越冬。



▲自宅の庭に飛来したキアゲハの夏型雌。翅の破れや鱗粉の剥げがない綺麗な個体。産卵に来たのかもしれないが、我が家にはセリ科植物は無い。





▲近所のサトイモ畑で先日採集したセスジスズメの幼虫達は、ヤブガラシを沢山食べてそろそろ蛹になろうとしている。セスジスズメ(Theretra oldenlandiae oldenlandiae)は鱗翅目スズメガ科コスズメ属。幼虫は広食性で様々な草本を食べる。1年に2~3回発生し、蛹で越冬する。






▲今年生まれたオオクワガタの幼虫のうち14匹の餌を交換した。今年は7匹の雌(WF1が4匹とF2が3匹)から百数十匹の幼虫が産まれていて、既に終齢になっている個体もいる。オオクワガタ(Dorcus hopei binodulosus)は鞘翅目クワガタムシ科オオクワガタ属。





▲庭でコルチカムが咲き始めた。この家の前の住人が植えたもので、昨年も同じ日に開花を投稿している。コルチカム(Colchicum  sp.)はイヌサフラン科イヌサフラン属の球根植物で、ヨーロッパ南部からアフリカ北部にかけてが原産らしい。




前星夜盗蛾

 



マエホシヨトウ
Pyrrhidivalva sordida

鱗翅目ヤガ科ヒメヨトウ亜科。幼虫はミゾソバの葉を食べる。年1化。蛹で越冬する。



▲昨晩、自宅の外灯に飛来したマエホシヨトウ。






▲キシタミドリヤガ(Xestia efflorescens)。
幼虫は広食性。年1化。幼虫越冬。ヤガ科モンヤガ亜科。






▲これもキシタミドリヤガ。







▲クロフトビイロヤガXestia fuscostigma)。幼虫は広食性で様々な草本を食べる。年2化。ヤガ科モンヤガ亜科。






▲キシタホソバ(Eilema aegrota)。幼虫は地衣類を食べる。年2〜3化。幼虫越冬。トモエガ科ヒトリガ亜科。






▲ヨツボシホソバLithosia quadra)の雄。幼虫は毒針毛を持ち、地衣類を食べる。年2化で、幼虫越冬。トモエガ科ヒトリガ亜科。ウンナンヨツボシホソバ(Lithosia yuennanensis)の可能性もあり。







▲これもヨツボシホソバ、あるいはウンナンヨツボシホソバの雄。






シロシタトビイロナミシャクHeterothera postalbida)。幼虫はアカマツの葉を食べる。年2化。シャクガ科。




 

▲マエアカスカシノメイガPalpita nigropunctalis)。幼虫はモクセイ科木本の葉を食べる。年2〜3回発生する。寒冷地での越冬態は不明だが、暖地では成虫で越冬する。ツトガ科。





 

▲ムラサキトビケラEubasilissa regina)。日本最大のトビケラ。世界最大という説もある。毛翅目トビケラ科ムラサキトビケラ属。






▲ケラGryllotalpa orientalis)の雌。直翅目ケラ科ケラ属。






▲これもケラの雌。




 


▲ツノアオカメムシPentatoma japonica)。半翅目カメムシ科アシアカカメムシ属。