2020年1月17日金曜日

飛庄の飛龍型


飛庄  飛竜型剪定鋏


飛庄の剪定鋏「飛龍」を購入した。
たしか昨年の4月頃に店に注文した時にはメーカーの飛塚製鋏所にも在庫がなく入手出来なかった品で、今回やっと手に入れる事が出来た。おそらく人気があるのに製造に手間がかかって大量生産には向かない製品なのだろう。



▲青森県の林檎農家が使っているようないわゆる「ジョッパリ」型で、「飛龍」の切銘が刃の平(ひら)の部分に鏨で刻まれている。




昨年買った「飛鳥型」と比較してみる。


▲左が「飛龍」右が「飛鳥」
こうして見るとあまり違わないように見える。飛龍の方が幾分がっしりした感じではあるが。




でも裏返して見ると一目瞭然。


   飛龍の方は飛庄の他の製品に見られる真鍮製のナットが省略されたおかげで混み入った枝の間に鋏を入れやすくなっている。 もともと受刃側の軸にはネジ山が切ってあるのでナットは必要ないはずなのだが、ボルトが緩まないように念の為につけられていたのだろう。飛龍では左ネジ(逆ネジ)を採用してボルトの緩みを防止している。
 
   それから切刃の裏面まで鏡面仕上げになっている。これは開閉時の抵抗を少なくし、磨耗を防ぐ為に敢えて刃の合わせを無くしている事と関係している。切刃と受刃の間に僅かな隙間が空いているので紙や紐は切れにくいらしい(実際は切れる)が、刃先はより鋭く薄くなっていて枝に対する食い込みが良くなっている。

   その他にネジ周りの内側にグリス溜めを設ける事でスムーズな開閉が永続きするようになっていたりして、長時間の剪定作業による疲労を軽減する様々な改良がされているのが分かる。

   この「飛龍」は、飛庄のフラッグシップと呼ぶに相応しい剪定鋏だと思う。

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