2018年4月4日水曜日

今日の剪定鋏 12

  村久  剪定鋏 A型  180mm



  先日、ヤフオクで中古の剪定鋏を落札した。兵庫県に住む方が出品した「村久」のA型の剪定鋏である。今まで中古の剪定鋏に手を出した事は無かったのだが、180mmのサイズはまだ持って無かったので、少し興味を惹かれた。出品画像をよく見ると最近の村久の製品とは違う点がある事に気付き、とりあえず入札してみたら思ったより安く手に入れる事が出来た。
   画像を見て自分が気付いたのは、刃の部分が「ろう付け」になっている点である。手元にやって来た鋏を実際に見てみると、やはり切刃と受刃が真鍮で溶接されている。



  「村久」銘の剪定鋏を作っている野村屋製鋏所では、最近は全鋼の鋏しか作ってないはずである。この鋏はおそらく先代(衡田庄太郎氏)か、初代(久作氏)が作った鋏だろう。


  古い鋏だが、刃の部分は研ぎ減りや欠けは見られなかった。ただボルトが弛んでいたので、一旦ばらして磨いてやる事にした。








まず、紙ヤスリの600番で錆やしつこい汚れを落とし、次に1000番で磨いて、最後に切刃の表側だけコンパウンドで仕上げた。錆が深くまで入っている所は無理に削ったりしなかったので、さほど手間も時間もかからなかった。








    磨き終わったら洗剤で洗って、乾かして、油を塗って、ボルトを締めて完成。

 




   〈Before〉
    〈After〉 


















     少しはマシになったかな。







  一応試し切りしてみると、木の枝や普通の紙は問題なく切れるようだ。ただティシュペーパーのような薄くて柔らかい物はうまく切れない。受刃のエッジが少し鈍くなっているせいか、ボルトの締め付け具合が違うのか、原因はよく分からない。他の剪定鋏で試してみると、新品でも切れない鋏があるので元々かも知れない。こういう場合メーカーで調整して貰うのが一番なのだろうが、野村屋さんは今仕事をされてないようだし、そもそも剪定鋏は枝を切る道具であってティシュが切れるかどうかに拘る必要も無いだろう。
 
   とにかく貴重な物を手に入れる事が出来て満足している。

3 件のコメント:

Unknown さんのコメント...

はじめまして。先日16年使った村久の両刃根切鋏が刃と持ち手の間の細くなっている部分で折れてしまい、植木屋になって以来大切に使ってきた愛着のある道具だったので野村屋さんに連絡し、修理が可能か聞いてみました。奥様?が出られ、職人さんに聞いていただいたところ10年以上使っていると金属が劣化しているので修理は難しいとのことでしたが、在庫があるとおっしゃったので根切鋏もいっしょに購入いたしました。
大阪の鋏屋、金物屋、ネットを探してもどこにも売っておらず、オークションに出品されるのを待つかと諦めていましたが、今も作っているのかお聞きしたところ、少しずつだが作っており店には在庫がありますよ。とのことでした。

これからも長く作っていただきたいですね。
突然のコメント失礼いたしました。

Unknown さんのコメント...

根切鋏もいっしょに✕
芽切鋏もいっしょに○

かねぽん さんのコメント...

Unknownさん、コメントありがとうございます。
そうですか、野村屋さんはまだ作っておられるのですね。安心しました。
とは言っても後継者とかはいないと思うので、今後ますます手に入りにくくなると思います。
貴重な情報、ありがとうございます。