山形丸清印 A型剪定鋏
200mm 金止
200mm 金止
先日、メルカリを見ていたら工藤製鋏所の山形丸清印の中古の剪定鋏が出品されていた。既に工藤製鋏所のA型は持っているのだが、それとは少し違っているようなので早速購入させてもらった。出品者は岐阜で庭師をされている人だった。
届いた鋏は良く手入れされていて切れ味も問題無かったのだが、もう少し手を加えて新品に近付けてあげようと思った。まず分解して全体を洗い、その後紙ヤスリで錆や汚れを落とし、柄の部分は酸化処理後メタルプライマーで錆止めをし、刃にはコンパウンドをかけて磨いてみた。
▼Before
▼After
少しはマシになっただろうか?
▲刃の平には「山形丸清」(丸清は◯の中に清) 左のほっぺたには「A」 右のほっぺたには「工藤別製」の刻印がある。
同じ丸清印のA型の現行品と比べてみる。
▲左が今回入手した中古の鋏。右が以前購入した新品。
こうして比べてみても大きな違いは見られない。中古の方が少しスリムなくらいか?
でも中古の鋏をよく見てみると
▲刃がろう付け(真鍮による熔接)になっているのが分かる。
現行品は全鋼でろう付けではない。おそらく工藤製鋏所では三代目の工藤清治氏になってからはろう付けは作られていないだろうから、これは初代の清吉氏か二代目の清一氏の作だと思われる。自分が確認した限りでは、ろう付けのA型を作っていたメーカーはこれで4社目だ。
各メーカーのろう付け剪定鋏。
▲左から「丸清」(工藤製鋏所) 「村久」(野村屋製鋏所) 「飛庄」(飛塚製鋏所) 「丸三郎」(今井製鋏所)。
刃の形状がみんな似かよっているので刻印が無ければ見分けるのは難しいが、鋳物製の柄の形状が何故かそれぞれ微妙に違っているので、たとえ卸し先の刻印が入っている場合でもある程度メーカーを特定する事は可能だ。
この中でろう付けの剪定鋏を今でも作っているのは飛塚製鋏所だけである。
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「有限会社工藤製鋏所」は、山形県山形市円応寺町にある鋏メーカー。初代の工藤清吉氏は野村屋製鋏所の初代村久・衡田久作氏の元で修行している。現在は三代目の工藤清治氏が技を受け継いでいる。
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