2025年10月7日火曜日

進化の調律者

 


講談社現代新書

進化という迷宮
隠れた「調律者」を追え
千葉聡

2025年5月20日第1刷発行
株式会社講談社



▲突然変異や自然淘汰といった偶然が支配するはずの生物の進化に法則性があるように見えるのは何故か。そこには何らかの「調律者」のような存在が潜んでいるのではないか。進化生物学者である著者がカタツムリの研究を通して得た知見で進化の謎に迫るノンフィクション・ミステリー。小笠原諸島のカタマイマイ類の起源や絶滅した巨大カタツムリの話、北海道のエゾマイマイとヒメマイマイが全く形態や生態が違うにもかかわらずほとんど同じ種であった事、逆に形態や生態が均質で見分けのつかない日本産のヤマナメクジが遺伝子レベルでは100種位に分けられる事など、カタツムリが好きな自分でも初めて知る事実が幾つも出てきて、生物の進化にまつわる壮大で複雑な話でありながら、最後まで全く飽きる事なく読ませて貰った。北硫黄島で調査隊が体験したオカルトめいた奇妙な出来事についての話も必読である。




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