2021年1月10日日曜日

三木章の剪定鋏

 
三木章
A型剪定鋏 200mm


   ヤフオクで「三木章」のA型剪定鋏を落札した。出品者様の言によれば、今では製造されていないタイプらしい。
「株式会社 三木章刃物本舗」は、兵庫県三木市の金属製品製造販売業者。





▲切刃の平に三木章のマークが打刻されている。3つの木の字で六角形を作り、その中に章の字を入れている。右のほっぺたには「責任付」の刻印。




▲刃は真鍮で鑞付けされている。





▲別の角度から見たところ。
   最近ちょっと疑い深くなっているので確信はないが、この剪定鋏の製造元は多分「丸三郎」の剪定鋏を作っている「今井製鋏所」ではないかと思う。




▲丸三郎の180mmの鑞付けA型と比較してみた。
どちらも右のほっぺたに「責任付」の刻印がある。




▲全体の形状も似ている。





▲矢印で示した部分がへこんでいるのも他のメーカーにはあまり見られない特徴。どうしてこんな形にするのかは分からないが、なんらかの職人のこだわりがあるのだろう。



   この鋏を作ったのは、おそらく初代丸三郎の今井三郎氏ではないかと思うのだが、山形市円応寺町にあった今井製鋏所は2019年11月に終業しているので、もう今となっては確かめようがないのが残念だ。









4 件のコメント:

ムラ さんのコメント...

かねぽんさんこんにちわ。
ロー付けは、飛庄、村久、丸三郎、新国光に次いで5種目ですか!すごいです!
三木章と丸三郎の比較では「責任付」刻印のみ見ると文字や〇印が違うようですね。
ただ、丸三郎のB型とA型7吋また九頭竜川矮化鋏は同じに見えます。(8吋には刻印が無い様ですが)
今となっては鋏所の閉鎖等により事実の判明は難しいと思いますが、これからも期待しています。

かねぽん さんのコメント...

ムラさん、こんにちは。
刻印は同じものでも打ち方によって不鮮明になったり、ずれたりするので、それだけで判断するのはやはり難しいと思います。全体の形状とか、表面処理のヘアラインの方向とか、使われている部品とかを見て総合的に判断しなければいけません。あとは消去法ですね。この鋏は少なくとも飛庄や村久ではないのは確かです。丸清印の工藤さんの製品にもちょっと似ているのですが、工藤さんは責任付の刻印は使っていません。そう、工藤さんの鑞付けも持っていますよ。
実は、中山町の細谷ハサミ製作所も、昨年終業されました。山形県の剪定鋏のメーカーは近い将来、飛塚製鋏所以外は失くなってしまうかも知れません。

ムラ さんのコメント...

そうですね。
この様な探索は、実物を沢山持っていないと出来ない事ですね。関係者とかねぽんさん位でしょう!
私は趣味で盆栽や庭木の手入れをしてきましたが、剪定鋏はその都度気分で購入しており最後に残ったのが「村久」でした。
それ以後(数年前ですが)村久と山形の剪定鋏に興味を持つようになりましたが、かねぽんさんの話のように終業については本当に寂しいですね。何とか頑張って貰いたいものです。

かねぽん さんのコメント...

ムラさん、細谷ハサミ製作所の代表・細谷啓さんの場合は、弟子をとったり従業員を雇ったりせず、奥さまと二人で仕事をされていたようです。月に600丁くらい作る時もあったようで、仕事がなくなって廃業したわけではないので、本当にもったいないと思います。
山形県のハサミ職人は2015年の時点で8人しかいなかったようです。今現在その数が増えているのか減っているのかは分かりませんが、もし山形の剪定鋏作りの技術が途絶えてしまうような事になったら、世界中の園芸家や農家ががっかりするのではないでしょうか。