2020年8月17日月曜日

鈴蜂 その4


   スズバチの巣が何者かに破壊されていた。


   朝、鉢植えに水遣りをした時には異常が無かったのだが、夕方になってもう一度水遣りをする為に行ってみたら既に壊された後だった。
   近くに置いていた盆栽の姫リンゴの実も食い荒らされていたし、庭木のハマナスの実も種子がまき散らかされていたので、おそらく猿の仕業だと思う。巣の中にいたはずの蛾の幼虫やスズバチの幼虫はどこにも見当たらなかったので、それも猿が全部食べてしまったに違いない。
   しばらく見かけていなかった親蜂が近くを飛んでいるのに気付いたが、もしかしたら巣が完成した後でも時々保守点検に訪れていたのかも知れない。

   スズバチの成虫は蝶や蛾の幼虫を捕まえて麻酔をかけ、それを泥で作った精巧な巣の中に生きたまま保存して自分の子供達の食料とする。こんなに小さな生き物に、何故こんなに手の込んだ事が出来るのか、自分には不思議でならない。昆虫の生態を研究していたファーブルがダーウィンの進化論を認めようとしなかったのも何となく分かるような気がする。

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