山菜たべ太郎
むかしむかし、と言う程そんなに昔ぢゃないけど、ある所にかねぽんというお兄さん(自称)がおりました。
ある日のこと、かねぽんは自然に呼ばれて山にキジ撃ちに行きました。
かねぽんが山の入り口でふと地面を見ると、そこにはなんとドホナ(※1)が生えておりました。
かねぽんは思いました。
「これは珍しい。これを摘んでいって父親に食べさせてやったら、最近病気で寝込んでいる父親も、きっと起き上がれるようになるだろう。」
かねぽんがドホナを摘みながら、もう少し山奥に歩いて行くと、今度はアマナ(※2)を見つけました。
「これも持って帰って父親に食べさせてあげよう。そうしたらきっと立ち上がれるようになるだろう」
そう思ってかねぽんはアマナを摘み始めました。
もうじゅうぶんアマナを手に入れたので、そろそろ帰ろうと思ってかねぽんが振り返った時、今度はコシアブラ(※3)の芽を見つけました。
「ほう、美味しそうなコシアブラぢゃないか。これも持って帰って父親に食べさせたら、きっと歩けるようになるに違いない。」
かねぽんは三種類の山菜を家に持ち帰り、
それを早速お鍋で適当に茹でて、
醤油とかマヨネーズとかを無造作にかけて、父親と二人で美味しくいただきましたとさ。
おひたし、おひたし。
脚註
※1 ここでいうドホナとは、
キク科の多年草、ヨブスマ
ソウ(Parasenecio
hastatus subsp.
orientaris )の事。
※2 ここでいうアマナとは、
キジカクシ科の多年草、タ
チギボウシ(Hosta
sieboldii var. rectifolia)
の事。
※3 ここでいうコシアブラと
は、そのまんまウコギ科の
落葉高木、コシアブラ
(Chengiopanax
sciadophylloides)の事。
4 件のコメント:
茹でて食べたんですね。おいしそう!
コシアブラや、タラノメは、てんぷら以外あまり思いつかないし、てんぷらが面倒だったりすると、見てもスルーしてしまいます。
ところで、雉は打ったんですか?私たちがここに越してきて数年は、「ここ雉がいるでしょう?」とハンターが家の周りをうろうろしていましたが、追い返しました。
雉はこのあたりのあちこちで子育てをしていて、時折、けたたましく鳴いていますが、そんなときは人ではなく猫などに狙われたときのようです。
春さん、僕は天ぷらが少し苦手なので、山菜はおひたしにする事が多いです。でもタラノメの刺がある物は仕方なく天ぷらにします。あと、ウドは皮を剥いて生のまま酢味噌あえにしたり、ワラビは味噌汁にしたりもします。
それから、「キジを撃ちに」というのは、山登りをする人がよく使う言葉です。女の人の場合の「お花を摘みに」と同じ意味です。「自然が呼んでいる」もそうです。
あらぁ、失礼しました。
その昔、ラオスで長距離を車で行くとき、「花を摘みたい」はトイレに恰好な茂みがある場所ということで、運転手さんへの合図で使っていました。途中、事情を知らないタイ人男性が、「あそこにいい花があるじゃないか」と言ったことから事情を話し、そのあとは、「花を摘みたい」、「大きな花?それとも小さな花?」なんて、やたら盛り上がったのを思い出しました(笑)。道路は舗装されていないし、車にはエアコンがないし、もちろん途中にトイレもない、髪を土ぼこりで真っ赤に染めての旅でした。
蕨は庭に出ますが、あく抜きが面倒でほとんど食べたことがありません。味噌汁に入れるとき、採りたてなら、あく抜きしないで使うのですか?
春さん、キジにも種類がありまして、オオキジ、コキジと言います。
ワラビは発癌性物質を含んでますから、必ずアク抜きをします。普通は木灰か重曹と一緒に煮て、そのまま一晩置いてから水でよく洗って食べます。
コメントを投稿