2018年8月7日火曜日

今日のキノコ 1


トンビマイタケ
Meripilus  giganteus
   昨日、飯豊町に住むとある老人が軽自動車を運転して我が家にやって来て、「まだ柔らかいから、そのまま食えんべからよ」と「トビタケ」なる物を持って来てくれた。この辺りでトビタケと呼ばれているのは、多分「トンビマイタケ」の事である。

   トンビマイタケは、トンビマイタケ科(かつてはサルノコシカケ科に含まれていた)のキノコの1種で、他のキノコ類があまり採れないこの時季にブナの老木や枯木に生える食用菌類である。秋田県や山形県ではよく食べられていて、よい出汁がとれるので秋田のきりたんぽ料理に使われたりもしているが、他の地域ではあまり食べないらしい。1ヶ所から一度に大量に採れる事もあり、多いときは数十~100kgも採れると言うが、市場にはあまり出回らないし、たとえ店で売っていたとしても高すぎて手が届かない事が多い。それにこのキノコは、手で触った所がすぐに黒ずんで見た目が悪くなるし、大きくなりすぎた株は固くなって、煮てもゴリゴリしていて美味しくないので、収穫のタイミングや調理法が難しい種類でもある。最近は原木栽培をしている所もあるというが、日本中のスーパーでポピュラーな商品になるようなキノコでは無いと思う。

   それで、せっかく頂いた貴重なキノコなので、味が落ちないうちに食べてしまう事にした。

   とりあえず、一旦茹でこぼしてアクを抜いてから水気を切っておく。その状態で冷蔵庫に入れておけば1週間位はもつし、もっと長く保存する場合は冷凍するか塩漬けにしておけば良い。
   でも今回は食べきってしまいたかったので、まず半分は煮物にする事にした。
   トンビマイタケの根元の方は固いので薄く輪切りにし、柔らかい先端の方は縦に切ってやった。そこに一緒に貰ったサヤインゲンと、家にあったニンジン半分と、何故かソーセージ3本を加えて、砂糖と味醂と醤油で煮てみた。あと昆布出汁と風味付けに山椒も入れて、ゴマ油が無かったので代わりにオリーブオイルを少し加えて出来上がり。
思ったよりもうまく出来た。

「トンビマイタケの煮物」約2人前
   なんかこうして見るとキノコがアワビやサザエのようにも見えるが、キノコ自体にあまり弾力は無い。でもキノコから濃厚な旨味が出ていて、味は最高だった。
 ちなみにこれは昨日の晩御飯である。

   今日は炊き込み御飯と味噌汁を作った。材料は昨日とほとんど同じ。
   炊き込みご飯の方は、昨日の煮物で残った煮汁を使って、トンビマイタケとニンジン半分を薄く切って軽く煮ておき、研いだお米に加えて炊くだけ。もち米があれば少し加えても良いが、切らしていたので今回はうるち米だけで炊いてみた。
   味噌汁はというと、出汁パックで出汁を取ったお湯に残りのトンビマイタケとぶつ切りにしたサヤインゲンを入れて煮立ったら味噌を入れるだけ。超簡単である。

では、頂きます。


トンビマイタケの炊き込み御飯と味噌汁。
   ありあわせの材料でテキトーに作ったとは思えない程美味しく出来た。特に炊き込み御飯はこのキノコの味を一番よく引き出していると思う。

   これで貰ったトンビマイタケは全部無駄無く使い切ってしまった。



   どうもご馳走様でした。とても美味しゅうございました。





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