「超人ロック ART WORKS」
聖 悠紀氏の描くSF漫画「超人ロック」の作品生誕50周年を記念して出版された画集である。
ちゃんと届くかどうか心配していたのだが杞憂だったようだ。
聖氏が2月4日夜に自身のツイッターに書き込んだ記事によると、聖氏は昨年12月に倒れ、一時心停止の状態にまでなっていたらしい。倒れた場所が病院だった為なんとか蘇生したものの、そのまま昏睡状態になり、心臓の外科手術で一命をとりとめ、今は既に退院してリハビリに励んでいるそうだ。
ふう、ギリギリセーフだったわけだ。
聖 悠紀氏が「超人ロック」の第1作を発表したのは1967年の事である。漫画同人サークル「作画グループ」の肉筆回覧誌(つまり原稿をそのまま綴じた物)に発表された。当時、聖氏はまだ高校生で、プロデビュー前だった。
そして1971年に漫画家としてプロデビューを果たし、1977年に初めて商業誌で「超人ロック」を発表。その後は掲載誌を転々としながらも連載を続けてこられた。
聖氏は1949年12月21日生まれだから、現在満68歳である。もう無理は出来ない歳だと思う。
御病気で倒れられる寸前までは「コミックフラッパー」で「超人ロック ガイアの牙」を、「ヤングキングアワーズ」では「超人ロック 鏡の檻」を連載していた。同時に2誌で同じシリーズの別の話を発表していたのだ。
その上昨年は超人ロックの生誕50周年という事で様々なイベントがあり、きっとご本人も疲労がたまっていたに違いない。あまり無理はして欲しくないが、出来れば早く元気になって連載を再開してもらいたい。話の続きが気になってしょうがない。
今回出版された画集は、聖 悠紀氏の漫画家デビュー前から今に至る超人ロックのイラストを集めた物である。表紙を除けば既に発表されている物ばかりなので、自分にとって目新しさはないが、イラストを見ているうちに過去の作品を読み返したくなってきた。
多分一度読み出したら止まらなくなるので、今は我慢我慢。
「超人ロック」の主人公「ロック」は、殆ど不可能が無いと言われる伝説の超能力者である。
不老不死で、身体を半分失っても再生出来るし、他人の怪我や病気をあっという間に治したりもする。また惑星を丸ごと破壊したり、巨大な宇宙船を瞬間移動させる事も出来る。
しかしロック本人は自分の事を「ちょっと変わった事の出来る普通の人間」だと思っている。実際死者を甦らせる事は出来ないし、他人を傷付けたり殺したりするのを常に怖れているので本気を出して戦う事は滅多に無い。それに恋愛に対しては凄く不器用で臆病だったりする。何千年生きていても人は人であって、神にはなれないのだ。
「超人ロック」は、同一の作者による単独のシリーズとしては、最も長い期間続いている作品だという。主人公が不老不死だから結末が無い可能性もあるが、せめて中断している物語だけでも最後まで描いて欲しいと思う。聖先生、後遺症とかで描けなくなってたらどうしよう。考えたくないけど凄く心配です。
ところで、ロックの髪の毛って尖ってて固そうに見えるんだけど、実はふわふわだって事が最近になって判明した。
長生きはするものだね。
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