2025年8月31日日曜日

房藤空木



ブッドレア 
Buddleja davidii   cv.

ゴマノハグサ科フジウツギ属の落葉灌木。中国西部原産のフサフジウツギの園芸品種。



▲最近、「園芸ネット」さんから取り寄せたブッドレア2種。左が「パグスター・ホワイト」で、右が「パグスター・ピンカー」。「PUGSTER®」シリーズはアメリカ・ミシガン州の「Spring Meadow Nursery」がコネチカット大学と共同で開発した品種。







▲「パグスター・ピンカー」。甘い香りがする。




▲「パグスター・ホワイト」。こちらはピンカーに比べると香りが弱い。

   ブッドレアはよねざわ昆虫館の前に植えられていて、花期が長いのと、色んな昆虫が花にやって来ているのを見て、自分も育ててみようと思って取り寄せてみた。でもなぜか今のところ全然虫が来ない。




▲マツバボタンの花。春に播いた種子が今頃になってやっと咲き始めた。





▲これもマツバボタン。こぼれ種で増えてくれたらいいのだが。





▲フジバカマが1株だけ咲いてた。





▲ニラの花も。




黄揚羽も来た

 


キアゲハ
 Papilio machaon  hippocrates

  鱗翅目アゲハチョウ科アゲハチョウ属。幼虫は主にセリ科の草本を食べる。年2~4化で蛹態越冬。



▲昨日の夕方、自宅の庭にやって来たキアゲハの夏型雌。オトギリソウの実にとまっている。この前のツマグロヒョウモンと同じで、花ではなく休息する場所を求めて来たようだ。





▲ホソバセダカモクメ(Cucullia pustulata  fraterna)の終齢幼虫。ホソバセダカモクメの幼虫はキク科草本を食べ、レタスの害虫でもある。写真ではレタスと同属のアキノノゲシの蕾を食べている。年2回発生し、越冬は蛹の状態でおこなう。幼虫の派手な色彩は毒蝶のマダラチョウ類に擬態している可能性がある。ヤガ科セダカモクメ亜科。






▲昨晩、自宅の外灯に飛来したシロスジキンウワバ(Diachrysia zosimi)。金箔を貼り付けたような翅を持つ小さな蛾。幼虫は  ホザキシモツケやナガボノシロワレモコウを食べる。年2化で幼虫越冬。ヤガ科キンウワバ亜科。






▲マエキカギバ(Agnidra scabiosa scabiosa)。翅に猫の足跡のような紋を持つ蛾。幼虫はブナ科木本の葉を食べる。年2化で蛹越冬。カギバガ科。





▲アカウラカギバHypsomadius insignis)。幼虫はユズリハ属木本の葉を食べる。年3化。幼虫越冬。カギバガ科。






▲マルハグルマエダシャク(Synegia ichinosawana)。幼虫はモチノキ属木本の葉を食べる。年2化。シャクガ科。






▲ヘリグロマダラエダシャク(Abraxas satoi)。幼虫はハルニレの葉を食べる。年2化。シャクガ科。ヒメマダラエダシャクやクロマダラエダシャクの可能性もあり。






 ▲フタヤマエダシャク (Rikiosatoa grisea)の雌。 幼虫はアカマツの葉を食べる。年2化で、幼虫越冬。シャクガ科。





▲ヨモギエダシャク(Ascotis selenaria cretacea)の雌。幼虫は広食性。年2〜4化。蛹態越冬。シャクガ科。





▲シロヒトリChionarctia nivea)の雄。幼虫はタデ科やタンポポ、オオバコ等の草本の葉を食べる。年1化。幼虫越冬。トモエガ科ヒトリガ亜科。






▲ナカキシャチホコPeridea gigantea)。幼虫はコナラ属木本の葉を食べる。年2化。蛹で越冬する。シャチホコガ科。






▲ムラサキシャチホコUropyia  meticulodina)の雄。幼虫はオニグルミの葉を食べる。年2化。蛹態越冬。シャチホコガ科。





クビワシャチホコShaka atrovittatus atrovittatus)。幼虫はカエデ属木本の葉を食べる。年2化で、蛹越冬。シャチホコガ科。






▲リンゴカレハOdonestis pruni japonensis)の雄。幼虫は毒針毛を持ち、クヌギ、リンゴ、ナシ等の葉を食べる。年2化で、中齢幼虫で越冬する。カレハガ科。






▲コクワガタDorcus rectus rectus)の雌。鞘翅目クワガタムシ科オオクワガタ属。







▲ドウガネブイブイAnomala cuprea)。コガネムシ科スジコガネ属。






▲カブトムシTrypoxylus dichotomus septentrionalis)の雌。もしかしたら今年最後のカブトムシかも。コガネムシ科カブトムシ属。






▲エンマコオロギTeleogryllus  emma)の雄。直翅目コオロギ科エンマコオロギ属。






▲コカマキリStatilia maculata maculata)の雌。蟷螂目カマキリ科








▲ミミズク(Ledra auditura)。半翅目ミミズク科。










2025年8月30日土曜日

永遠の小学三年生

 


少年サンデーコミックス スペシャル
シブヤニアファミリー⑤
SHIBUYA NEAR FAMILY
渋谷駅近家族
久米田康治

2025年8月23日 初版第1刷発行
株式会社小学館



▲週刊少年サンデーに連載中の漫画「シブヤニアファミリー」の第5巻。8ヶ月ぶりの新刊。渋谷に住む永遠の小学3年生、イッコちゃんのいかにも渋谷っぽい日常を描いた、示唆に富む物語の数々。小学生が主人公で、少年誌に連載されているのに所々子供には理解し難いネタもあるが、それは大きなお友達の読者に配慮した結果だろう。作者は「さよなら絶望先生」や「かくしごと」でお馴染みの久米田康治氏。今年3月にフジテレビ系列で放送されたテレビ番組「踊る!さんま御殿!!」では4回目の出演を果たし、4回目の「踊る!ヒット賞!!」受賞を達成している。これはもうピッチャーが全打席ホームランを打つような快挙だと思う。(←テレビ観とらんけど)





▲ところで、本の裏見返しにこんな怪しいタグが貼ってあったんだけど、これって何?







▲裏表紙はイッコちゃんの弟、都加 伊澄(とかいすみ)くん。








帯蛾

 


オビガ 
Apha aequalis

鱗翅目オビガ科Apha属。幼虫は主にスイカズラ科植物の葉を食べる。年2化。蛹で越冬する。日本固有種。オビガ科(Eupterotidae)は300種以上が記載されているが、日本ではこの種しかいない。



▲昨晩、自宅の外灯に飛来したオビガの雄。ヤママユガの仲間を小さくしたような印象の蛾。






▲ヨトウガMamestra brassicae)。幼虫は広食性。年2〜3化で、蛹で越冬する。ヤガ科ヨトウガ亜科。






▲マエジロヤガOchropleura plecta  glaucimacula)。幼虫は広食性で様々な草本を食べる。年2化。ヤガ科モンヤガ亜科。







▲シロヒトリChionarctia nivea)の雄。幼虫はタデ科やタンポポ、オオバコ等の草本の葉を食べる。年1化。幼虫越冬。トモエガ科ヒトリガ亜科。







▲モンスズメバチ
(Vespa  crabro  flavofasciata)の働き蜂。膜翅目スズメバチ科スズメバチ属。







▲ドウガネブイブイAnomala cuprea)。鞘翅目コガネムシ科スジコガネ属。







2025年8月29日金曜日

江戸と北京

 


講談社学術文庫

幕末日本探訪記
江戸と北京

ロバート・フォーチュン
三宅 馨 訳

1997年12月10日 第1刷発行
株式会社講談社





▲1960年(万延元年)とその翌年、開国直後の尊王攘夷の嵐が吹き荒れる日本を訪れたスコットランド出身のプラントハンター(植物採集家)、ロバート・フォーチュン(Robert Fortune)の日本滞在記。著者は日本で様々な植物を採集し、1962年に英国に帰国、翌年にはこの本を上梓している。何故彼はそんな一番剣呑な時代に日本にやって来たのだろうか。
  フォーチュンのプラントハンターとしての経歴のスタートは阿片戦争直後の中国。東インド会社の依頼に応えてチャノキをインドに持ち出す事に成功し、その後インドは紅茶の一大産地となっている。そもそも阿片戦争の原因は、茶葉の輸入による英国の貿易赤字だった事は誰でも知っている事だ。
  また彼は日本での目的を達した後、アロー戦争直後の北京までわざわざ足を運んでいる。この手記を読んでいて絶対にこの人物はただのプラントハンターではないと思った。
  日本で採集した植物をどうやって本国に運んでいたのかも気になったのだが、今で言うワーディアンケースに入れて船で本国に運んだらしい。航海中は水を全くやらないと書いている。完全に密閉したガラス張りの小温室の内部でうまく水分が循環するようになっていたのだろう。
  フォーチュンは植物だけでなく、当時の日本や中国の風物や文化、習慣等についても記述している。その視点には自分達と異質な人々を蔑むような部分がない。そんな意味でも彼は只者ではないと思う。






星姫蜂雀

 


ホシヒメホウジャク
Neogurelca himachala sangaica

鱗翅目スズメガ科Neogurelca属。幼虫はヘクソカズラの葉を食べる。年2化。成虫で越冬する。日本のスズメガでは最小。



▲昨日の夕方、自宅前で見付けたホシヒメホウジャクの蛹。ヘクソカズラの葉を4枚程綴り合せてその中に隠れている。一昨日の夕方、成虫がこの周辺を飛んでいるのを見て、なんとか撮影しようと頑張ったのだが叶わず、もしかしたら幼虫がいるのではないかと探してみたら幼虫ではなく蛹がいた。ホシヒメホウジャクはこのブログ初登場。





▲ホシヒメホウジャクの蛹をとりあえず室内に持ち帰って撮影。どうしても成虫の写真を撮りたいのでこのまま飼ってみる事にした。とは言っても蛹だから餌は食べないし、ただ置いておくだけなのだが。






▲その後、もう少し探してみたらホシヒメホウジャクの終齢幼虫も発見。





▲幼虫も飼ってみる事に。





▲餌を食べる幼虫の動画。







▲昨晩、自宅の外灯に飛来したフクラスズメ(Arcte coerula)。幼虫は主にイラクサ科草本の葉を食べる。成虫は熟した果実や樹液を好むが、動物の糞に来る個体もいる。年2回発生し、成虫で越冬する。和名にスズメと付いているがスズメガの仲間ではない。ヤガ科ウスベリケンモン亜科フクラスズメ属。




▲キンイロエグリバCalyptra lata)。幼虫はツヅラフジ科の植物の葉を食べる。トモエガ科エグリバ亜科。




▲オオシラホシアツバEdessena hamada)。幼虫はクリやクヌギの枯れ葉を食べる。年2化。トモエガ科クルマアツバ亜科。





▲スジベニコケガBarsine striata striata)。幼虫は地衣類を食べる。年2〜4化で、蛹で越冬する。トモエガ科ヒトリガ亜科。





▲オオカマキリ(Tenodera aridifolia)の雌。おなかがパンパン。カマキリ科。





▲コカマキリStatilia maculata maculata)の雌。カマキリ科





▲ドウガネブイブイAnomala cuprea)。コガネムシ科スジコガネ属。





2025年8月28日木曜日

擬態図鑑

 


似せかたイロイロ!
昆虫擬態図鑑

著: 川邊透・前畑真実
監修:平井規央

2024年12月 第1刷発行
株式会社ポプラ社



▲「昆虫変態図鑑」に続く、「芋活.com」の共同管理人ふたりによる昆虫図鑑。タイトル通りこの本では昆虫の擬態がテーマになっている。探し出すのが難しい忍者のような擬態名人の虫達の写真は間違い探しのゲームようで面白い。ポプラ社の編集やレイアウトの巧みさも相まって、とても見やすく分かりやすい内容になっている。出来れば次は、昆虫の交尾をテーマにした「昆虫性態図鑑」を出して欲しい。(←無理かな?)



歯車か雄黒か

 


ニホンカナヘビ
Takydromus tachydromoides

    有鱗目カナヘビ科カナヘビ属。日本固有種。



▲昨日、自宅の庭で見付けたカナヘビ。カラムシの茎のてっぺんにいた。






▲昨晩、自宅の外灯に飛来したハグルマトモエ(Spirama helicina)の雌。幼虫はネムノキの葉を食べる。年2化で、蛹で越冬。鱗翅目トモエガ科トモエガ亜科。オスグロトモエ(Spirama retorta)の可能性もあり。







▲シロヒトリChionarctia nivea)の雄。幼虫はタデ科やタンポポ、オオバコ等の草本の葉を食べる。年1化。幼虫越冬。トモエガ科ヒトリガ亜科。





▲これもシロヒトリの雄。






▲ユウマダラエダシャクAbraxas miranda miranda)。幼虫はニシキギ科木本の葉を食べる。年2〜3化。暖地では幼虫で、寒冷地では蛹で越冬する。シャクガ科。






▲リンゴカレハOdonestis pruni japonensis)の雄。幼虫は毒針毛を持ち、クヌギ、リンゴ、ナシ等の葉を食べる。年2化で、中齢幼虫で越冬する。カレハガ科。





▲ウグイスシャチホコ(Pheosiopsis olivacea)。幼虫はブナ属木本の葉を食べる。年2化。蛹で越冬。シャチホコガ科。同属のスズキシャチホコ(Pheosiopsis cinerea)の可能性もあり。






▲ムラサキシャチホコUropyia  meticulodina)の雄。幼虫はオニグルミの葉を食べる。年2化。蛹態越冬。シャチホコガ科。





▲ツマキシャチホコPhalera assimilis)。幼虫はブナ科木本の葉を食べる。年1化で、蛹で越冬する。シャチホコガ科。








▲コクワガタDorcus rectus rectus)の雌。クワガタムシ科オオクワガタ属。