2025年11月4日火曜日

水亀

 

ビバリウムガイド 
VIVARIUM 
GUIDE
No.111
2025年冬号

令和7年10月131日発売
株式会社 エムピージェー発行



ビバリウムガイド(VIVARIUM  GUIDE)は、株式会社エムピージェーが年4回発行する爬虫類・両生類の飼育情報誌。 1997年、月刊アクアライフの増刊号として創刊。2017年の通算77号から正式に雑誌コードを取得し、独立季刊誌になっている。
今回の表紙はヒメハコヨコクビガメ(Pelusios nanus)。アンゴラからコンゴ、ザンビア辺りに分布する曲頸亜目の最小種。
巻頭特集は「ミズガメのあれやこれ」と題して、亀類の中でリクガメとウミガメを除いたカメの飼い方を編集長の冨水明氏が解説している。
「爬虫類ハンター加藤英明の現地レポート」は第97弾。「台湾の自然と動物 〜グリーンイグアナを探す〜 」と題して台湾に棲息する野生動物と外来種を紹介している。台湾も日本と同じで、自然保護に関する法律は現実にそぐわない机上の空論的なものが多いようだ。







▲2026年版爬虫類・両生類カレンダー付き。





裏波と紅




ウラナミシジミ
Lampides boeticus

   鱗翅目シジミチョウ科ウラナミシジミ属。汎存種。幼虫はマメ科植物の新芽や花、若い実を食べる。多化性で春から秋にかけて分布を拡げる。日本の温暖な地域では幼虫か蛹で越冬するが、東日本では冬期に死滅する。



▲ブッドレアの花の蜜を吸うウラナミシジミ。







▲ウラナミシジミの翅の表側。地味な色をしているのでこれは雌。






▲セイタカアワダチソウの花にやって来たベニシジミ(Lycaena  phlaeas  daimio)。幼虫はタデ科草本の葉を食べる。年3〜5化。越冬態は幼虫。シジミチョウ科。全て自宅の庭にて今日撮影。








2025年11月3日月曜日

四年ぶりの再会

 


ウスタビガ
Rhodinia fugax  fugax

   鱗翅目ヤママユガ科ヤママユ属。卵で越冬し、幼虫は広食性で様々な広葉樹の葉を食べる。蛹の繭はヤマカマスと呼ばれる。成虫は晩秋に出現し、口が退化していて何も食べない。



▲昨晩、自宅の外灯に飛来したウスタビガの雌。翅に全く傷みがない美しい個体。前翅長52mm。最後にウスタビガの成虫を見たのは4年前の2021年だった。その年はウスタビガの発生が多く、羽化を観察したり、雄にも出逢えたりしたのだが、次の年に終齢幼虫を1匹見たものの、それ以来全く逢えなかった。こうしてこの蛾に再び逢えたのは本当に嬉しい。でもこれまで毎年見ていたクスサンの方を今年は1匹も目にしていないのは何故だろうか。





2025年11月1日土曜日

プリンで合格

 




MARLOWE®
合格祈願プリン




▲横須賀のマーロウさんから取り寄せた「合格祈願プリン」。原材料は、生クリーム(北海道製造)、牛乳、卵、カラメル(グラニュー糖)、てんさい糖、脱脂濃縮乳、伊予柑ジャム、バニラビーンズ/酸味料。内容量180gで約487kcal。材料のてんさい糖は「天才」、伊予柑ジャムは「いい予感」にあやかっているらしい。マーロウさんの数あるプリンの中でもかなり美味しい方だと思う。


ごちそうさまでした。



神無月から霜月へ

 



ウスゴマダラエダシャク
Metabraxas paucimaculata

   鱗翅目シャクガ科エダシャク亜科Metabraxas属。幼虫はモクレンの葉を食べる事が知られているが、おそらく他のモクレン属木本の葉も食していると思われる。年1化で成虫は晩秋に出現する。



▲昨晩、自宅の外灯に飛来したウスゴマダラエダシャクの雄。2年ぶりの再会。シャクガとしては大型で、灯火に飛来する昆虫が少なくなったこの時季に出逢えるのは嬉しい。前翅長約30mm。





▲カラスヨトウ(Amphipyra livida corvina)。幼虫は広食性。年1化で成虫越冬。ヤガ科カラスヨトウ亜科






2025年10月28日火曜日

背条天蛾弐號機

 

セスジスズメ
Theretra oldenlandiae oldenlandiae

  鱗翅目スズメガ科コスズメ属。幼虫は広食性で様々な草本の葉を食べる。1年に2~3回発生し、蛹の状態で冬を越す。



▲今朝、飼育していたセスジスズメが羽化していた。昨晩1時頃にはまだだったので、その後から起床した6時半までの間に羽化したようだ。我が家で羽化した2匹目のセスジスズメで、自分がこの眼で見た2匹目のセスジスズメの成虫でもある。





▲セスジスズメの顔。





▲ブラウンとホワイトのストライプがスタイリッシュで素敵。





▲前翅長は36mm。






▲セスジスズメ2号機、発進準備完了!


   1号機に次いで2号機も越冬せずに羽化してしまった。越冬蛹になる条件ってなんだろう。アゲハチョウ類だと幼虫の時の日長が関係していると云われているけど、短日処理をしても気温の高い部屋に置いておくと真冬に羽化してしまう事があるらしい。植物の冬芽のように一定期間低温を経験するとホルモン量が変化して成長を始めるというのともちょっと違うような気がする。有効積算温度が関係しているとすれば、成長はしないけど死にもしない程度の低温に置いておけば長期間蛹のままでいられるのかも知れない。何℃以上で成長して何℃以下で死ぬのか確かめられば上手く越冬させられると思うが、それを知るには何匹か犠牲にする必要があるだろう。もう一つの可能性としては、そもそも寒冷地では越冬していない事も考えられる。自分が今まで成虫を見た事がなかったのは単にセスジスズメの成虫の正の走光性が弱いせいかも知れないが、幼虫も9月以降しか見ていないので、置賜地方では越冬出来る個体が全くいないか、ごく少数しかいない可能性もあるのではないだろうか。気候と成長のサイクルが一致しない、いわゆる死滅拡散をする鱗翅類は他にも色々いるのであり得ない事ではないと思う。







2025年10月27日月曜日

中白根黒枝尺蛾

 



ナカジロネグロエダシャク
Ramobia mediodivisa

  鱗翅目シャクガ科エダシャク亜科Ramobia属。幼虫はホオノキの葉を食べる。年1化で成虫は晩秋に現れる。



▲昨晩、自宅の外灯に飛来したナカジロネグロエダシャクの雄。



 



▲ウリキンウワバ(Anadevidia peponis)。幼虫は広食性だが、主にウリ科草本を食べる。年数回発生し、幼虫か蛹で越冬する。ヤガ科キンウワバ亜科








▲タマナヤガ(Agrotis ipsilon)の雌。幼虫は広食性で、各種農作物の害虫。年3化で幼虫越冬だが、寒さに弱く寒冷地では越冬出来ない。ヤガ科モンヤガ亜科。







▲カブラヤガAgrotis segetum)の雌。幼虫はネキリムシとも呼ばれ、広食性で様々な草本の茎を食べる。農作物の害虫。年2〜3化で、幼虫で越冬する。ヤガ科モンヤガ亜科






▲オオバコヤガDiarsia canescens)。幼虫は広食性で様々な草本を食べる。年2化。幼虫で越冬。ヤガ科モンヤガ亜科。







▲カラスヨトウ(Amphipyra livida corvina)。幼虫は広食性。年1化で成虫越冬。ヤガ科カラスヨトウ亜科







▲トビイロトビケラ(Nothopsyche pallipes)。毛翅目エグリトビケラ科。









2025年10月26日日曜日

背条天蛾羽化

 


セスジスズメ
Theretra oldenlandiae oldenlandiae

  鱗翅目スズメガ科コスズメ属。幼虫は広食性で様々な草本の葉を食べる。1年に2~3回発生し、蛹の状態で冬を越す。



  ▲昨晩、幼虫から飼育していたセスジスズメが羽化した。9月に近所のサトイモ畑で見付けた幼虫のうち、これが羽化第1号。蛹化から羽化まで3週間以上かかった。前翅長は約35mm。今までセスジスズメの幼虫は何度も見ているのに成虫は見た事がなかったので飼育を始めてみたのだが、これでやっと願いが叶った。しかし、時季的に越冬すると思っていた蛹がまさかの羽化。これから産卵して幼虫が孵化したとしても、蛹になる前に冬が来てしまうだろう。セスジスズメは蛹でしか冬を越せないはずなので、もう少し暖かい地方、例えば新潟や福島の海岸沿い等に飛んで行って子孫を残してくれる事を祈るしかない。


かねぽんのスズメガ図鑑にセスジスズメの成虫が追加されました。






2025年10月25日土曜日

今日の姫黒

 


ヒメクロホウジャク
Macroglossum bombylans

   鱗翅目スズメガ科Macroglossum属。成虫は日中活動し、花の蜜を吸う。幼虫は主にアカネの葉を食べる。年2〜3化。



▲お向かいの家のブッドレアの花の蜜を吸うヒメクロホウジャク。また今日もしつこく撮影を試みる。近くに寄ると逃げられるので今回は望遠を使用してみるも、近距離にピントが合わないので画面いっぱいに大きく写す事が出来ない。





▲望遠だと背景がゴチャゴチャしてなくて、その点は良いかも。




熊の痕跡

 


近所にツキノワグマ



▲熊の爪跡。我が家のすぐ近く、国道下にある柿の木の幹に付けられていた。昨日猿が来てきた木である。






▲柿の木の根元には大きな熊の糞が。辺りを見渡したり耳をそばだてたり漂う匂いを嗅いだりしてみたが、生きている熊の気配は無い。そう言えば一週間程前の夜中に木の上の方で枝が折れる音が何度もしていた。あれも熊の仕業だったのかも知れない。でも糞はもっと新しいように見える。







▲近くのオニグルミの木の幹に生えていた大きなキノコ。マスタケあるいはアイカワタケだと思う。熊とは関係ない。






▲一応警察に連絡したら警察官が2人来てくれた。熊は大好きだし、殺されたらかわいそうだけど、近所の人が被害にあったら困るので、黙っているわけにもいかない。




姫山繭蛾

 



ヒメヤママユ
SaturniaRinacajonasii jonasii

  鱗翅目ヤママユガ科SaturniaRinaca)属。幼虫は広食性で様々な広葉樹の葉を食べる。年1回発生し、卵の状態で越冬する。



▲昨晩、自宅の外灯に飛来したヒメヤママユの雄。前翅長43mm。翅に傷みが無いので羽化したばかりなのだろう。







▲ヒメヤママユの顔。3年前の6月に前の住所で一度だけ幼虫を見た事があったが、成虫とは初対面。これに出逢えただけでもここに引っ越して来て良かったと思える。はじめまして、ヒメヤママユさん!






2025年10月24日金曜日

秋の猿

 

ホンドザル
Macaca  fuscata  fuscata

霊長目オナガザル科マカク属。日本固有種であるニホンザルの本土産亜種。



▲柿の木に登って実を食べている猿。今日の夕方、自宅から撮影。






▲国道際で何かを食べている猿。







▲子猿もいた。





▲車道に出てきた猿。こちらからは見えないが、この猿の体の向う側に子猿がいる。親子だろう。





黄立翅蝶




キタテハ
Polygonia c-aureum 

鱗翅目タテハチョウ科キタテハ属。幼虫の食草はカナムグラ。年2~5化で成虫越冬。



▲自宅の敷地に勝手に生えているセイタカアワダチソウの花にとまるキタテハ。蜜を吸っているのではなく日向ぼっこをしているようだ。






▲ヒメクロホウジャク(Macroglossum bombylans)。お向かいの庭のブッドレアの花に来ていた。普通にスマホのカメラで撮影したのだが、今までで一番大きく撮れている。アングルが良くないのが残念。スズメガ科ホウジャク亜科。





▲自宅の玄関前にいたコナラシギゾウムシ(Curculio dentipes)。幼虫はコナラ属の実を食べる。鞘翅目ゾウムシ科。





2025年10月23日木曜日

手強い姫黒

 


ヒメクロホウジャク
Macroglossum bombylans

鱗翅目スズメガ科Macroglossum属。成虫は日中活動し、花の蜜を吸う。幼虫は主にアカネの葉を食べる。年2〜3回発生し、蛹の状態で越冬する。



▲ブッドレアの花に飛来したヒメクロホウジャク。今日もよねざわ昆虫館にヒメクロホウジャクを撮影しに行ってきた。スマホやオートフォーカスカメラでの撮影に限界を感じたので一眼に古いマクロレンズを付けて持っていった。露出とピントをあらかじめ固定しておいて、あとは近付いてシャッターボタンを押すだけにすれば、チョコマカ動くすばしっこいヒメクロホウジャクの動きにタイムロスなしで撮影出来るだろうと睨んでいたのだが、目論見通りにはいかなかった。しっぽの先にピントがあったこの1枚が一番マシな写真だった。







▲ホシホウジャク(Macroglossum pyrrhosticta)も来ていた。ホシホウジャクはヒメクロホウジャクに比べて滞在時間が長くて撮影しやすい。でも1/500のシャッター速度でも翅がブレてしまう。秋の弱い陽射しの中でこれ以上シャッター速度を上げるとピントが浅くなってしまうだろうし、接写用のストロボを持っていないので今はこれが精一杯といった所だ。ホシホウジャクもスズメガ科ホウジャク亜科Macroglossum属。成虫は日中活動し、花の蜜を吸う。幼虫はヘクソカズラやアカネの葉を食べる。1年に2~3回発生する。





















2025年10月21日火曜日

鍬形虫の潜在能力

 


月刊むし12月増刊号
BE・KUWA
No.97
AUTUMN  2025

2025年11月21日発行
有限会社 むし社



▲BE・KUWA(ビークワ)は、2001年11月に創刊された有限会社むし社が年4回発行するクワガタ・カブトの情報誌。今回は第25回クワガタ飼育レコードコンテスト。今年は98mmのタランドゥスが出ている。今までの最大が2021年の94.5mmだったので、一気に3.5mm記録を伸ばしていて素晴らしいと思う。近い将来10cmの大台に乗る個体が出てくるかも知れない。もっともクワガタの場合、ビークワに報告していないそれ以上の個体がいる可能性もあると思うのだが。我が家のオオクワガタはF2で71mmが最大で、到底記録には及ばない。でも栄養価の高い餌で幼虫を育ててその系統のポテンシャル以上の大きさの成虫を生み出そうとすれば奇形が生じる確率が高くなると思うので、何世代もかけてポテンシャル自体を引き上げていければ良いと考えている。






姫黒に再挑戦

 


ヒメクロホウジャク
Macroglossum bombylans

鱗翅目スズメガ科Macroglossum属。成虫は日中活動し、花の蜜を吸う。幼虫は主にアカネの葉を食べる。年2〜3回発生し、蛹の状態で越冬する。



▲ブッドレアの花の蜜を吸うヒメクロホウジャク。今日の午後、よねざわ昆虫館の前で撮影した。もう何度も挑戦しているが、今日はちょっとマシな写真が撮れた気がする。でもまだ満足はしていない。


















かねぽんのスズメガ図鑑にヒメクロホウジャクを追加しました。