2020年10月21日水曜日

飛庄の旧A型

 
飛庄
A型剪定鋏  金止   200mm
(改良前旧型)




▼Before


▲ヤフオクで飛庄の古い剪定鋏を落札した。
   出品者は以前にも何かでお世話になった山形市のKさん。山形市内の旧商店から出た物らしいが、商品として保管されていた物ではなく、かなり使用されていた形跡がある。全体が錆びだらけで切刃は刃こぼれが酷いが、幸い先端は折れていないので修復出来そうだ。





▼After


   ▲まず「ジョイ」と「バスマジックリン」でよく洗って汚れや油を落とし、コメリの「サビ取りジェル」で柄の部分の錆びを落とし、「強力カビハイター」でもう一度よく洗う。乾燥させた後、BIRCHWOODCASEYの「Aluminum Black Metal Finish」で刃以外の表面に酸化膜を作り、GSIクレオスの「Mr.メタルプライマー」を塗って錆び止めをする。またまた乾燥させた後、「紙ヤスリ」を使って刃の部分を磨き、タカラの「コンパウンド」で切刃の艶出しをした。刃の部分にサビ取りジェルを使わなかったのは、金属を溶かす力が強すぎて最後に艶が出なくなる虞があった為。今回は紙ヤスリだけで刃こぼれまで消す事が出来た。元々家にある物だけで間に合わせたので、かかった費用は¥0。作業時間は乾燥時間を除いて延べ4~5時間位だろうか。







    ▲刃を開くとこんな感じで結構大きく開く。使用する時は金止を写真のように折り畳むのが正しいらしい。






▲切刃の平にはうっすらと「飛庄」の刻印。その上にも打刻があるが読み取る事が出来ない。多分「登録商標」ではないだろうか。左のほっぺたには「A」と「責任付」、右のほっぺたには「別製飛塚」と刻印が打たれている。






   ▲現在の飛庄製A型と同じく、刃が鑞付けされている。












   以前「新国光」のA型を見て、おそらく製造元は飛塚製鋏所だろうと推定していたが、当時は飛庄の刻印が打たれた古いタイプのA型をまだ所有していなかったので確信が持てずにいた。今回やっと念願が叶って両者を比較する事が出来る。


▲左が「飛庄」、右が「新国光」。







▲上が「飛庄」、下が「新国光」。
    虫バネを固定する突起の長さや金止の板バネの形状等に違いがあるが、全体的にほぼ同じ形をしている。特に柄の内側が凹まずにソリッドになっている点は、一部の例外(村久の旧A型9インチ)を除いて飛庄の旧A型の特徴と言って良いだろう。







▼ついでに今の飛庄のA型と比較してみた。


▲左が旧A型、右が改良A型。どちらも200mm。
   使いやすさと軽量化を図り、グリップの形状が大きく変わっているが、鋏を時々裏返しに持ち替えて使うような人は、むしろ改良前の旧型の方が便利だと感じるかも知れない。









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