2020年10月17日土曜日

宗寛の剪定鋏

 
宗寛
特製A型18cm


    メルカリで「宗寛」の古い剪定鋏を入手した。古いとは言っても使用形跡の全くないデッドストックである。

   「宗寛」は山形県山形市成沢にある「総本家阿武隈川宗寬刃物工場」の商標だ。









▲刃を開くと、あまり開きすぎず程々の所で止まってくれる。







  ▲刻印は切刃の平に「登録商標  宗寛」、左のほっぺたに「A」と打たれている。






▲受刃には「特製 本家」の打刻。







▲そして実はこの鋏、切刃・受刃共に鑞付けになっている。





▲分かり難いので別の角度からも。






    ▲現在の宗寛の剪定鋏は他社で製造した物を仕入れているので、このような鑞付けの剪定鋏は無い。もしかしたらこれは、かつて阿武隈川宗寛が自前で鋏を作っていた頃の製品だろうか?





  と思ったのだが、この形には見覚えがある。今年1月に入手した「丸清」の古い鑞付けの鋏に似ているのだ。




▲左が「丸清」で右が「宗寛」。長さは違うが、形状はほとんど同じである。ただ、ほっぺたの「A」の打刻が違っている。やはり単に形が似ているだけで、これは宗寛のオリジナルなのか?





   と思ったが、先月買ったばかりの丸清の鑞付けでないA型を確認したところ、同じ刻印が使われている事が分かった。


▲左が「宗寛」、右が「丸清」。刻印の欠けている部分もまるっきり同じ。という事は、やはりこの鋏も丸清こと「工藤製鋏所」で作られた物で間違いないようだ。

    でも、刻印自体はそんなに高価な物ではないはずだから、欠けの無い新しい物に取り替えれば良いのに、同じ刻印をずっと使い続けているのは何故だろうか。尤もそのおかげで製造元を辿る事が出来たわけだから、自分にとってありがたい事ではあるのだが。







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