2020年10月31日土曜日

獨國の剪定鋏

 
最近ヤフオクでドイツ製と思われる古い剪定鋏を2挺落札した。


    ▲左側が先に入手した鋏で、静岡県富士市の「朝美古美術」さんの出品。その後入手した右側は愛知県豊川市のアンティークショップ「レアーズ」さんの出品。どちらも長さ22cm位。






▲先に手に入れた方の刻印は3文字目位から掠れていて判読が出来ない。由来のはっきりしない鋏だったので何か手懸かりがないかと思ってあちこち探していた所、もう一品同じような鋏がヤフオクに出ていた。その2挺目は「RICH.A.HERDER  SOLINGEN」と刻印が入っているからドイツ製と考えるのが自然だろう。こうして2挺の鋏を並べてよく見ると微妙に違う部分もあるが、同じ地域で作られた可能性はじゅうぶん高いと思う。









    実はアメリカ製の鋏にも似たようなデザインの物があるので、2挺目が見つかるまではてっきりアメリカ製だと考えていた。いつかアメリカの剪定鋏も手に入れて比較してみたいと思っている。




















2020年10月30日金曜日

山広の剪定鋏

 
山広  
A型剪定鋏  200mm


   ▲「山広」の剪定鋏を新たに購入した。「山広」は山形市の「山広印山川製鋏所」の商標である。






▲刃は鑞付けではないが、鏡面仕上げを施してあり、とても美しい。切刃の平に「登録 山広」の文字、左のほっぺたにアルファベットの「A」が打刻されている。







      実は既に山川製のA型を所有していたのだが、それには「花吹雪」の刻印が打たれていた。


▲「花吹雪」は新潟県三条市の「有限会社マルワ工器」の商標。ふたつを並べてみると同じ形なのが分かる。






▲刻印の違いは見ての通り。




▲裏から受け刃を見ると、どちらにも「別打」の打刻が入っている。山広の鋏にはこの刻印が打たれている事が多いので分かりやすい。



「山広」は「飛庄」や「村久」程の知名度は無いが、他のメーカーの名前で売っている製品も多く、案外と沢山普及しているようだ。製品の品質も高いので、もっと注目されても良いのにと思っている。

2020年10月29日木曜日

猫こけし22匹目

 
蔵王高湯系のこけし工人、梅木直美さんの創作こけし
「猫こけし」



こけしです。

多賀城市のFさんの家から来ました。

「猫ひろし」じゃなかとです。

「猫こけし」です。





こけしです。

こけしです。

こけしです。

……

2020年10月28日水曜日

佛國の剪定鋏

 
   先日ヤフオクで入手したフランスの古い剪定鋏。


   典型的なボルドー・スタイルの剪定鋏で、長さ約23cm。明治初期に日本に輸入されていたのはこのタイプが多い。これを元にして日本で津軽型やB型の剪定鋏が作られたのだろう。「PAVIER & CO」と刻印が打たれているが、詳細は不明。出品者は福岡市の「フランスアンティーク JADIS」様。出品者様によるとフランスの蚤の市で仕入れた1930年頃の品だそうだが、フランス製かどうかは分からない。今でもドイツのBERKER社等でほとんど同じ形状の製品が作られているので、もしかしたらゾーリンゲン製かも知れない。




    刃は研ぎ減りも欠けもなく、ちゃんと切る事が出来る。留め皮もあまり傷んでないので、そんなに古い物ではない可能性もある。刃は蛤刃になっていて、日本の製品に極めて似ている。




    いつ、どこで、だれが作った物なのか。何か手懸かりがあれば良いのだが、今のところさっぱり分からない。








2020年10月27日火曜日

金蛇

 
ニホンカナヘビ
Takydromus tachydromoides


有鱗目カナヘビ科カナヘビ属。
日本固有種。カナチョロとも言う。

   これも家の中で捕まえた。まだ小さいので、おそらく今年生まれたばかりだろう。この時期小さな生き物達は越冬場所を探してあちこちの隙間に潜り込むから、このカナヘビもどこかの隙間から入ってきたようだ。
    自分は子供の頃、飼い方も分からずにカナヘビを飼育しようとしてミイラにしてしまった苦い経験がある。

2020年10月26日月曜日

二紋脚長蜂

 
フタモンアシナガバチ
Polistes  chinensis


膜翅目スズメバチ科アシナガバチ属。

   家の中に迷い込んでいたフタモンアシナガバチ。寒さのせいか動きが鈍かったので、手に乗せてみた。アシナガバチとしては小型の部類で、橙色の触覚が美しい。女王蜂か働き蜂かは分からないが、雄蜂でないのは確か。つまり刺される可能性があるので真似はしないように。

2020年10月25日日曜日

猫こけし21匹目

 
   山形市の蔵王高湯系こけし工人、梅木直美さんの創作こけし
「猫こけし」


   この青い目の猫こけしは、今まで何度もお世話になっている埼玉県久喜市のKさんの元からやって来た。青い目繋がりで 2017年の12月に新潟県の村松浜に1人でいるところを誘拐してきたおすわりキューピーの浜ちゃんと一緒に記念撮影と相成った。そろそろ日本海岸のビーチコーミングの季節になるが、色々事情があって海には当分行けそうにない。海の近くに住んでいる人が心底羨ましい。

2020年10月24日土曜日

本占地

 
ホンシメジ
Lyophyllum shimeji


シメジ科シメジ属。


    親戚から貰ったホンシメジ。「匂い松茸、味しめじ」と昔から云われている「しめじ」とは、このホンシメジであって、ブナシメジの事ではない。菌根菌である為に人工栽培が出来なかったが、1999年にタカラバイオ等が菌床培養に成功し、既に一部の市場では人工栽培した物が流通している。かつてはキシメジ科に属していたが、分子系統解析の発達によって現在では独立したシメジ科に分類されている。





▲傘の裏側からみた襞の様子。傘の直径は大きいもので約10cm。


      ホンシメジは我が家の近くでも昔は大量に採れた。 特に沢山採れた時は道路際に白い旗を立てておくと、仲買人が買い付けに立ち寄ってくれた。毎年同じ場所に列を為して生えるので、一度見つけた場所をちゃんと覚えておけば毎年確実に採る事が出来るが、場所を知らない人は全く採れない。本来は乱獲防止の為に親子や兄弟の間でも採れる場所を教える事はなかったのだが、茸採りの名人だった父はこっそり自分にだけ教えてくれた。その父も歳をとって足腰が弱り山歩きが出来なくなり、自分も仕事が忙しくてここ十数年間、茸採りには行っていない。残念ながら今では雑木林が伐採されて山が荒れ果て、近くの山ではホンシメジは全く採れなくなってしまった。










2020年10月23日金曜日

草木瓜の実

 
クサボケ

Chaenomeles japonica



バラ科ボケ属の落葉灌木。

     庭に勝手に生えてきたクサボケに今年も実がなった。地面の近くに稔るいびつな形の果実は、どんな動物に種子を運んで貰う事を想定しているのだろうか。



    とりあえず黄色くなった実だけ収穫した。すごく良い香りがする。まだ青い実がいくつか残っているので、それが全部熟した頃に果実酒でも作ろうかと毎年思うのだが、いつも忘れてしまう。もう少し量が採れればジャムにしても良いのだが。





2020年10月22日木曜日

オセロ その3

 


今月のオセロゲームの対戦成績は



ジャ~ン!


なんと9位でした!!


    過去最高の成績。勝率があまり高くないのに上位に食い込めたのは、対戦相手とのマッチングが比較的うまくいっていたからだろう。マッチングがうまくいかずに弱い相手とばかり当たっていると、勝ってもあまり順位が上がらないし、負けると大幅に順位が下がるので、勝率が高くても中々順位が上がらない仕組みになっている。あと、何故か自分より上位の人が終了寸前で脱落していったのも幸運だった。でもこの辺りが自分としては限界だと思う。もう2度とこんな事は無いだろう。







2020年10月21日水曜日

飛庄の旧A型

 
飛庄
A型剪定鋏  金止   200mm
(改良前旧型)




▼Before


▲ヤフオクで飛庄の古い剪定鋏を落札した。
   出品者は以前にも何かでお世話になった山形市のKさん。山形市内の旧商店から出た物らしいが、商品として保管されていた物ではなく、かなり使用されていた形跡がある。全体が錆びだらけで切刃は刃こぼれが酷いが、幸い先端は折れていないので修復出来そうだ。





▼After


   ▲まず「ジョイ」と「バスマジックリン」でよく洗って汚れや油を落とし、コメリの「サビ取りジェル」で柄の部分の錆びを落とし、「強力カビハイター」でもう一度よく洗う。乾燥させた後、BIRCHWOODCASEYの「Aluminum Black Metal Finish」で刃以外の表面に酸化膜を作り、GSIクレオスの「Mr.メタルプライマー」を塗って錆び止めをする。またまた乾燥させた後、「紙ヤスリ」を使って刃の部分を磨き、タカラの「コンパウンド」で切刃の艶出しをした。刃の部分にサビ取りジェルを使わなかったのは、金属を溶かす力が強すぎて最後に艶が出なくなる虞があった為。今回は紙ヤスリだけで刃こぼれまで消す事が出来た。元々家にある物だけで間に合わせたので、かかった費用は¥0。作業時間は乾燥時間を除いて延べ4~5時間位だろうか。







    ▲刃を開くとこんな感じで結構大きく開く。使用する時は金止を写真のように折り畳むのが正しいらしい。






▲切刃の平にはうっすらと「飛庄」の刻印。その上にも打刻があるが読み取る事が出来ない。多分「登録商標」ではないだろうか。左のほっぺたには「A」と「責任付」、右のほっぺたには「別製飛塚」と刻印が打たれている。






   ▲現在の飛庄製A型と同じく、刃が鑞付けされている。












   以前「新国光」のA型を見て、おそらく製造元は飛塚製鋏所だろうと推定していたが、当時は飛庄の刻印が打たれた古いタイプのA型をまだ所有していなかったので確信が持てずにいた。今回やっと念願が叶って両者を比較する事が出来る。


▲左が「飛庄」、右が「新国光」。







▲上が「飛庄」、下が「新国光」。
    虫バネを固定する突起の長さや金止の板バネの形状等に違いがあるが、全体的にほぼ同じ形をしている。特に柄の内側が凹まずにソリッドになっている点は、一部の例外(村久の旧A型9インチ)を除いて飛庄の旧A型の特徴と言って良いだろう。







▼ついでに今の飛庄のA型と比較してみた。


▲左が旧A型、右が改良A型。どちらも200mm。
   使いやすさと軽量化を図り、グリップの形状が大きく変わっているが、鋏を時々裏返しに持ち替えて使うような人は、むしろ改良前の旧型の方が便利だと感じるかも知れない。









2020年10月20日火曜日

猫こけし20匹目

 
山形市在住の蔵王高湯系こけし工人、梅木直美さんの創作こけし
「猫こけし」


    秋も深まり盆栽のピラカンサの実も赤く色付いてきた。もう明け方は肌寒くて布団から出るのが辛い。この猫こけしは、いつもお世話になっている多賀城市のFさんの元からやって来た。口を開けて欠伸をしているように見えるが、最近の「コロナを根っこから消す猫こけし」に比べると口の開き具合が少し控え目である。胴体の模様は真っ赤な梅の花ふたつ。





2020年10月19日月曜日

麒麟鋸鍬形虫

 
ギラファノコギリクワガタ(♂)
Prosopocoilus giraffa


鞘翅目クワガタムシ科ノコギリクワガタ属。

    東南アジアの熱帯雨林に棲息する。オスは最大で120mmに達する。





      これは株式会社バンダイから発売されたガシャポンの新製品。






本物の1.5倍位の大きさ。








スタンドが付いていて飛行状態を再現出来る。









    本物見たことないから知らんけど、多分よく出来てるんだと思う。







同時に発売された商品のラインナップがこちら。


①ノコギリクワガタ(黒)
②ノコギリクワガタ(赤茶色)
③ギラファノコギリクワガタ
④ゼブラノコギリクワガタ



  次はカマキリが発売されるらしい。バンダイさん、面白い製品を作ってくれてありがとう。今後も期待しています。


2020年10月18日日曜日

猫こけし19匹目

 
 山形市の蔵王高湯系こけし工人、梅木直美さんの創作こけし
「猫こけし」


    この猫こけしも東根市の北村果樹園から取り寄せた内のひとつ。

   この黒い猫こけしを見ていると、どうしても去年の11月に行方不明になった我が家の黒猫「ケムシ」を思い出してしまう。ちょうど父が入院中だった事から、もしかしたら父の身代わりになってくれたんじゃないかとか、都合の良い解釈をしてみたくなるが、そんな風に勝手に話を美化するのは間違っているのだろう。もうすぐあれから1年になる。

2020年10月17日土曜日

宗寛の剪定鋏

 
宗寛
特製A型18cm


    メルカリで「宗寛」の古い剪定鋏を入手した。古いとは言っても使用形跡の全くないデッドストックである。

   「宗寛」は山形県山形市成沢にある「総本家阿武隈川宗寬刃物工場」の商標だ。









▲刃を開くと、あまり開きすぎず程々の所で止まってくれる。







  ▲刻印は切刃の平に「登録商標  宗寛」、左のほっぺたに「A」と打たれている。






▲受刃には「特製 本家」の打刻。







▲そして実はこの鋏、切刃・受刃共に鑞付けになっている。





▲分かり難いので別の角度からも。






    ▲現在の宗寛の剪定鋏は他社で製造した物を仕入れているので、このような鑞付けの剪定鋏は無い。もしかしたらこれは、かつて阿武隈川宗寛が自前で鋏を作っていた頃の製品だろうか?





  と思ったのだが、この形には見覚えがある。今年1月に入手した「丸清」の古い鑞付けの鋏に似ているのだ。




▲左が「丸清」で右が「宗寛」。長さは違うが、形状はほとんど同じである。ただ、ほっぺたの「A」の打刻が違っている。やはり単に形が似ているだけで、これは宗寛のオリジナルなのか?





   と思ったが、先月買ったばかりの丸清の鑞付けでないA型を確認したところ、同じ刻印が使われている事が分かった。


▲左が「宗寛」、右が「丸清」。刻印の欠けている部分もまるっきり同じ。という事は、やはりこの鋏も丸清こと「工藤製鋏所」で作られた物で間違いないようだ。

    でも、刻印自体はそんなに高価な物ではないはずだから、欠けの無い新しい物に取り替えれば良いのに、同じ刻印をずっと使い続けているのは何故だろうか。尤もそのおかげで製造元を辿る事が出来たわけだから、自分にとってありがたい事ではあるのだが。







2020年10月16日金曜日

裏銀小灰蝶 その2

 

ウラギンシジミ(秋型♂)
Curetis acuta paracuta


鱗翅目シジミチョウ科ウラギンシジミ属。

幼虫はマメ科植物の花や蕾を食べる。成虫で越冬する。ウラギンシジミ科とされる事もある。


     自宅玄関前のハマナスの葉にとまるウラギンシジミの雄。先月もここで同じ種を見ているが、同じ個体かどうかは分からない。


翅の表側は橙色をしている。









指にとまらせてみた。


    ウラギンシジミは花の蜜を吸う事はほとんどなく、水溜まりや動物の糞にやってくる事が多いという。別に自分の指が臭いというわけではないと思うのだが。