今日の動物 22

  これで何度目だろう。 

   今朝、二階の自分の部屋でまだ布団に入っている時に、窓の外でベコッベコッと何か生き物が歩く物音がした。

   二階の窓の下には一階のトタン屋根がぐるりと囲む構造になっていて、たまに動物がそこまで上がって来る事がある。冬場だったら周りに積もった雪を足掛かりにして猫が上がって来るし、今年の春には、どうやって上がったのか分からないが、夜中にハクビシンが窓から部屋を覗き込んでいてお互いに見つめあったりもした。

  でも、この時期のこの時間帯に屋根まで上がって来る動物と言えばだいたい察しが付く。それは決まって猿である。

   びっくりさせて屋根から落ちて怪我でもされたら可哀想なので、窓からスマートフォンだけ出して撮影した。

   家の周辺に頻繁に猿が現れるようになったのは一昨年くらいからだと思う。それ以前には車で少し遠くまで行かないと猿を見る事は出来なかった。屋根に上がって来るようになったのは去年からである。一階の屋根から二階の屋根まではアルミの梯子が固定されているので、それを利用して二階の屋根に登られた事もある。梯子を降りて来る猿と窓越しとはいえたった2m程の距離で目が合った時は、お互いに5秒位動けなかった。その時は、こちらがスマートフォンで撮影しようとして一瞬目を離した隙に逃げられてしまったが、まるで猿と「達磨さんが転んだ」をして遊んだような感じだった。

   それにしても、昔はこの辺りではほとんど見られなかった猿が、どうして急に住み着くようになったのだろう。

   そう言えば、家の西側にある山の稜線の向こうは、3～4年程前にかなり広い範囲で森林が伐採されてしまっている。元々そこで猿を見かけた事は無かったが、通り道くらいにはなっていた可能性がある。もしその森が破壊されてなければ、わざわざ危険な人家の近くまで猿がやって来る事は無かったのかも知れない。