2018年7月16日月曜日

今日の本 21


  「おもしろい!進化のふしぎ  ざんねんな いきもの事典」

今泉忠明  監修

「一生けんめいなのに、どこかざんねんないきものたち」を紹介している、どちらかと言えば児童を対象とした本である。発行は「高橋書店」。監修は動物学者の「今泉忠明」氏。

  その気になれば1日で読める内容だと思うが、自分はこの本を1冊読むのに半年くらいかかってしまった。どうしてかと言えば、それは「つまらなかった」から。何故これが45万部も売れているのか、全く理解出来ない。
  この本を実際に執筆しているのは、「丸山貴史」という人らしい。イラストは3人の女性が描いている。文章もイラストも何か平凡で、光るものが無いし、内容的に自分の興味をそそる程の目新しい情報もあまり無かった。

   無理に面白かった部分を挙げるとすると、43ページにあった「ヘアペンシル」に関する記事だろうか。これは実際に自分で見てみたいと思った。でも、別に「ざんねんないきもの」だとは思えない。
   この本が書店で平積みになっているのを見かけた時に真っ先に思い浮かべたのは、かつて「バジリコ」という出版社から発行されていた「へんないきもの」という本である。あの本は「早川いくを」氏の文章やデザインのセンスが素晴らしかったし、「寺西晃」氏のイラストも魅力的だった。今回のこの「ざんねんないきもの事典」は明らかにそれを意識して書かれているはずだが、「ざんねんながら」内容的には足元にも及んでいないと言わざるを得ない。
子供でも理解出来る内容を目指すにせよ、万人ウケを狙うにせよ、本を創る人は読者と同じ目線に立つべきでは無い。せめて読者を引っ張り上げて肩車をしたり、出来ればいっその事鷲掴みにして大空に羽ばたいて遥か遠くの世界を見せてくれるような、そんな本を読者は望んでいるのだ。


   ところで、自分はこの本と同時に「続編」も買ってしまった。全部読み終わるまで「読欲」を維持出来るかどうか、正直不安である。

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