2019年3月4日月曜日

謎の剪定鋏



Before



After



   我が家にかなり昔からある古い剪定鋏を再生してやる事にした。このまま放っておいたら朽ち果ててしまいそうだ。

   いつ頃、誰が購入した物かは分からない。

   これまで通りの手法でサビを落とし、サビ止めを施す。



  すると、刻印がはっきり見えてきた。


  切刃の表面、「平」と呼ばれる部分には、「商標  横綱」と刻印が入っている。ボルトの下の「ホッペタ」という部分には「責任付」の文字もある。

   調べてみたが、商標の所有者も製造メーカーも特定する事が出来なかった。

   いくつかの特徴から山形県で作られた製品である事は間違いないと思う。でも県内で作られたB型の剪定鋏は、どのメーカーも似たり寄ったりであまり個性がない。


    古い道具には作った人や使った人の思いが込められている。それは微妙な形状の違いだとか使用時の些細な痕跡として目に見える姿で確かに存在しているはずである。自分にはまだそれらを見極める眼力が足りないのかも知れない。

   かつてこの鋏を手にした人達に思いを馳せながら、夢中でサビを落とし表面を磨き上げた。

   甦った鋏で試し切りをしてみると、申し分のない切れ味だった。

2 件のコメント:

さんのコメント...

どれもすごくきれいになりますね。
私は畑仕事をしていてなくした愛用の剪定ばさみを、数年後に見つけたときは錆びてどうにもならず、泣く泣く捨ててしまいました。あれも、かねぽんさんの手にかかれば再生できた、いや私の手でも再生できたかもしれないと思うと、かわいそうなことをしました。

かねぽん さんのコメント...

春さん、よっぽど珍しい貴重な鋏でない限り、手間ひまかけてサビを落とすよりは新しいのを買った方が早いと思いますよ。
その方が新しいのを選ぶ楽しみもありますし、メーカーも儲かって喜ばれるはずです。
でも、錆びて汚い古い鋏はオークションでも安く手に入るのが魅力です。
今回はただで手に入れましたしね。