FAMOUS AIRPLANES OF THE WORLD
No.203
FOCKE-WULF Ta 154
世界の傑作機
No.203
フォッケウルフ Ta 154
令和3年11月5日発行
株式会社 文林堂
文林堂から隔月で発行されている「世界の傑作機」シリーズ。毎回特定の飛行機について、専門家の詳しい解説やその機体に直接関わった当事者達の体験談、実機の貴重な写真や細部の図面等が掲載されている。戦史読物としても楽しめ、模型を作る時の資料としても役立つ、他に類を見ない出版物だと言える。
今回採り上げられているフォッケウルフTa154は第二次世界大戦中にドイツ空軍で運用された双発夜間戦闘機。設計はフォッケヴルフ航空機製造有限会社( Focke-Wulf-Flugzeugbau Gmbh ※注)のクルト・タンク(Kurt Waldemar Tank)技師。イギリスの双発軍用機モスキートの影響を受け、機体構造の50%が木製だった。しかし使用されるはずだった接着剤を作る工場が空襲で被害を受けた事もあって、生産された機体は設計通りの性能を発揮出来ず、結局生産打ち切りになってしまった。総生産数は製造途中の機体も含めて85機しかなかったと云う。これを傑作機と呼んで良いのかどうか分からないが、当時のドイツの技術の粋を集めた飛行機であった事は評価されて然るべきだろう。
※注=フォッケヴルフ社は、1938年に株式会社(AG)から有限会社(Gmbh)になっている。
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