2019年10月30日水曜日

鏡の檻、完結。


超人ロック
鏡の檻  ⑤
聖 悠紀



「鏡の檻」がとうとう完結した。

   ターガス・インダストリィ社で対ESP兵器を開発していたデイモンは社の研究所に監禁されていたオールドマンことセリム・ジャバルの事を伝える為にセリムの親族であるバヤンの元を訪れ、そこで偶然ロックと出会う。脳だけの存在になっていたセリムはロックの超能力で肉体を取り戻す。その後ロックは姿をくらましたままになっているゼクス・ロニを追って流刑星ラフノールへ向かう決心をする。

   話はまだ続きそうな気配だが、あれだけ多方向に展開していた物語を最後には意外な形できちんと収束させてしまう聖悠紀氏の並外れた構成力にはいつもながら感嘆させられる。2017年の12月に氏が倒れられた時にそのまま逝かれてしまっていたらこの物語の結末も知り得なかったのかと思うとよけい感慨深いものがある。



「鏡の檻」はこの巻の前半で完結し、後半には短編「銀河の子」が収録されている。サンディーナの街でロックが出会った3才児ニュニュのその後と、「ドラゴンズ・ブラッド」編の顛末が描かれている。

   あの話もあれで終わりじゃなかったって事か!

2019年10月27日日曜日

グライフ


 世界の傑作機
ハインケルHe 177


FAMOUS  AIRPLANES  OF  THE  WORLD
HEINKEL  He177


   文林堂から隔月で発行されている「世界の傑作機」シリーズ。毎回特定の機種を取り上げていて、他では中々見れないような実機の貴重な写真や、専門家の詳しい解説が載っていて、資料としても読物としても素晴らしいシリーズだと思う。

   今回は「グライフ」の愛称で知られる第二次世界大戦中のドイツ空軍の爆撃機「He 177」を取り上げている。一見双発機のようだが、2つのエンジンで1つのプロペラを回す双子エンジンを採用しているので実際は4発機だそうだ。いかにもハインケル社のジークフリート・ギュンターによる設計らしいスマートな機体だが、7tもの搭載量を持っている重爆撃機であった。

   例によってこの本には様々な機体のバリエーションだとか開発や運用の実態だとかが記されていて興味のある人には非常に為になる内容になっている。

   解説はドイツ軍機の専門家としてお馴染みの国江隆夫氏。

2019年10月24日木曜日

白い琺瑯セブン


セイコー
プレザージュ
SARX051


SEIKO
PRESAGE
SARX051


    2017年9月にセイコーから発売された琺瑯ダイアルの腕時計。セイコーにはちょっと珍しいトノー型のケース。よく見ると風防のカーブに合わせて分針と秒針の先端が少し曲げられている。限定生産ではないのでいつでも手に入ると思って購入を先延ばしにしてきたが、最近未使用品で結構安いのを見かけたので思い切って買ってみた。これで琺瑯ダイアルは7本目。




▲裏蓋も風防と同様サファイアガラスという贅沢な造り。ムーブメントは自動巻きの「6R15D」。23石で日差+25~-15秒。パワーリザーブは約50時間。


   実際に腕に着けてみたら思ってたよりしっくりきたので、暫くの間は日常的に使ってみるつもりだ。

2019年10月22日火曜日

どんぐりの背比べ その3


       そろそろミズナラどんぐりはおしまいかな?


▲最後の最後に大きいのを拾った。 



▼長さ31.5mm。今年の新記録。




丸三郎の剪定鋏 その3


丸三郎  A型剪定鋏  7吋  金止


ヤフオクで丸三郎の剪定鋏を落札した。


▲平の部分に「登録  丸三郎」の刻印があるが、スペースが足りなくて右上が欠けている。ほっぺたには「責任付」の刻印が入っている。



▲なんと、刃の部分はろう付け(真鍮による溶接)されている。ろう付けの鋏を確認出来たのは「飛庄」「村久」に続いて3例目。



   ▲今年の8月に手に入れた丸三郎の8吋のA型と並べてみた。8吋の方はろう付けではない。7吋の方が刃が分厚くていかにも頑丈そうである。


   丸三郎の剪定鋏は山形県山形市円応寺町の「今井製鋏所」で作られていた。初代丸三郎の今井三郎氏はA型剪定鋏を開発した初代村久の元で鋏作りを学んでいる。

2019年10月21日月曜日

三姉妹



   また梅木直美さんこけしが我が家にやって来た。身の丈三寸半の小さなこけし。今回は東京のNさんのお宅から。



   今までで一番小柄な女の子。三姉妹の末っ子といった感じ。梅木さんのこけしは小さくても手を抜いていない。大きいこけしと比べても遜色のない見事な出来だと思う。



   ところで胴体に描かれているのは何の花だろう?
桜?椿?牡丹?

2019年10月19日土曜日

米沢型の鉈 その9


最近ヤフオクで入手した鉈2本。


   ▲左は無銘の典型的な米沢型の鉈で、何度かお世話になっている山形県朝日町のMさんから。

   右は栃木県大田原市で古物商をされているK氏からで、委託品とのこと。「重親」の切銘が入っている喜多方型。


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赤沼博志氏の著した「会津手語り」によると、初代「重親」は「佐藤義夫」氏、二代目は「佐藤寛」氏となっている。また、佐藤義夫氏についてはこんな記述もある。

   『 重親こと佐藤義夫は、六代重房、重延、頼政らと共に戦前から戦後を通し、刀剣の製作をした人物である。気性の激しい人物で周りからは「鬼鍛冶」と呼ばれていた。』

   それから、「佐藤重親」で検索をかけてみると、昭和19年陸軍軍刀技術奨励会の入選指定刀匠の部にその名を見る事が出来る。



   ▲もしこの銘が本物だとすると、この鉈は野鍛冶ではなく刀鍛冶の作品という事になる。