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2025年8月20日水曜日

丸三郎B型8吋

 


丸三郎
B型剪定鋏 金止 8吋



▲最近Yahooオークションで落札した丸三郎のB型剪定鋏。大きさは8インチ(200mm)。既に皮止めは持っていたが、金止めは9インチしか持ってなかったので入手してみた。




▲切刃のヒラにはお馴染みの「登録 丸三郎」の刻印、ホッペタには「責任付」の刻印がある。「丸三郎」は山形市円応寺町にあった「有限会社今井製鋏所」の商標。今井製鋏所の初代の今井三郎氏は、「村久」こと「野村屋製鋏所」の衡田久作氏に師事している。






▲刃を開いた状態。






▲裏側の受刃の方には刻印は無い。






▲丸三郎のB型8インチのバリエーション。右端は左利き用。ちょっと前にYahooオークションで9インチの左利き用の刻印違い(ODM製品)が出品されていたが、価格が高くなり過ぎて落札出来なかった。きっと何処かに丸三郎の刻印が打たれた物も存在しているはずで、いつか入手出来たらいいなと思っている。










2025年3月4日火曜日

丸三郎B型九吋

 

 
丸三郎

B型剪定鋏 230mm



▲最近Yahooオークションで落札した「丸三郎」の剪定鋏。B型の230mmは初対面。出品者様は福井県大野市の金物店「安養寺屋」さん。







▲「登録 丸三郎」の刻印。「丸三郎」は山形市円応寺町の「有限会社今井製鋏所」の商標。今井製鋏所の初代の今井三郎氏は「村久」こと「野村屋製鋏所」の衡田久作氏のお弟子さん。  刻印の「郎」の字の右側が欠けているのはいつもの事。







▲足を開いた状態。






▲裏側には刻印はない。








▲肩の部分に鉛が付着しているは熱処理に鉛バスを使っている証拠。鉛バスを使うと全体を均等に加熱する事が出来る。








▲「天の川」の刻印の剪定鋏も抱き合わせて出品されていた。同じ造りだし、「丸三郎」のラベルを貼った箱に入っていたので、これも製造元は今井製鋏所だと思う。「天の川」がどこの商標かは、まだ不明だ。











 

2022年4月16日土曜日

丸三郎の芽切鋏

 


丸三郎
両刃芽切鋏 200mm皮止



  ▲最近ヤフオクで入手した丸三郎の芽切鋏。出品者様は山形県新庄市のリサイクルショップ「仁助屋」(ニスケヤ)さん。「丸三郎」は山形市円応寺町の「今井製鋏所」の商標。箱には「剪定鋏B型」となっているが、中身はB型ではない。






▲裏から見たところ。






    ▲表側のホッペタの刻印。「登録」が横書きで、その下に「丸三郎」が縦書き。「録」の字がはみ出して、ちゃんと打刻されていない。





  ▲裏側の刻印は「責任付」の文字が楕円で囲まれている。これは丸三郎の鋏の特徴のひとつ。楕円の線が途切れているのは、打ち方が悪いか刻印が欠けているかのどちらかだろう。





  ▲刃を開いたところ。大胆に開脚して、ちょっと使い難いが、刃を研ぐ時は便利かも知れない。丸三郎の鋏は切れ味が抜群で、ティッシュペーパーのような薄くて柔らかい紙でもスパスパ切れる。

  丸三郎の鋏の製造元である今井製鋏所さんは、既に仕事を辞められているようだ。出回っている製品の数は決して少なくないはずだが、市場ではなかなかお目にかかれなくなっている。









2022年3月27日日曜日

丸三郎の左刃

 


丸三郎
B型剪定鋏 200mm金止 左刃



   ▲メルカリで丸三郎の左利き用剪定鋏を入手した。出品者様は茨城県の方。「丸三郎」は山形市円応寺町の「今井製鋏所」の商標。







▲刃を開いた状態。丸三郎銘の普通の右利きのB型も持っているが、そちらの方が皮止だったのに対し、こちらは金止。







   ▲鏡面仕上げされた切刃の平には丸三郎の刻印。左のホッペタには楕円で囲まれた責任付の刻印。少し刻印が不鮮明で一部欠けたように見えるのは、比較的新しい製品だからかも知れない。







  ▲裏から見たところ。仕上げが少し粗いように感じる。あちこち表面に鉛が付着したままになっていたので、焼入れに鉛バスが使用されているのが分かる。






▲この辺りにも段差があって、いかにも手作り然としているのが、かえって丸三郎らしいと言えるのかも。







2021年10月10日日曜日

千代三郎の剪定鋏

 



千代三郎
 A型剪定鋏 200mm 



   ▲今年の9月にヤフオクで入手落札した「千代三郎」のA型剪定鋏。「千代三郎」がどこの商標なのか、調べてみたが分からなかった。出品者は熊本県天草市でオリーブ園を営んでいるN氏。






  ▲切刃の平に「千代三郎」、右のほっぺたに「責任付」の刻印が打たれている。





    ▲切刃、受刃、共に真鍮で鑞付けされている。この鋏の形状は以前どこかで見た事がある。












今年1月に入手した「三木章」の剪定鋏と比較してみた。


  ▲平の刻印以外は、ほぼ同じ形状をしている。どちらもほっぺたに「責任付」の刻印がある所を見ると、おそらく製造元は山形市円応寺町にあった「丸三郎」こと「今井製鋏所」だと思われる。だが、丸三郎の銘が打たれた200mmの鑞付けのA型をまだ所有してないので確証は無い。そうかと言って他のメーカーの製品とも違うので、もしかしたら未知のメーカーで作られた鋏だという可能性もある。今後も引き続き調査が必要なようだ。










 














2021年1月10日日曜日

三木章の剪定鋏

 
三木章
A型剪定鋏 200mm


   ヤフオクで「三木章」のA型剪定鋏を落札した。出品者様の言によれば、今では製造されていないタイプらしい。
「株式会社 三木章刃物本舗」は、兵庫県三木市の金属製品製造販売業者。





▲切刃の平に三木章のマークが打刻されている。3つの木の字で六角形を作り、その中に章の字を入れている。右のほっぺたには「責任付」の刻印。




▲刃は真鍮で鑞付けされている。





▲別の角度から見たところ。
   最近ちょっと疑い深くなっているので確信はないが、この剪定鋏の製造元は多分「丸三郎」の剪定鋏を作っている「今井製鋏所」ではないかと思う。




▲丸三郎の180mmの鑞付けA型と比較してみた。
どちらも右のほっぺたに「責任付」の刻印がある。




▲全体の形状も似ている。





▲矢印で示した部分がへこんでいるのも他のメーカーにはあまり見られない特徴。どうしてこんな形にするのかは分からないが、なんらかの職人のこだわりがあるのだろう。



   この鋏を作ったのは、おそらく初代丸三郎の今井三郎氏ではないかと思うのだが、山形市円応寺町にあった今井製鋏所は2019年11月に終業しているので、もう今となっては確かめようがないのが残念だ。









2020年5月2日土曜日

九頭竜川の矮化鋏


九頭竜川
矮化鋏


   最近メルカリで手に入れた変わった形の鋏。林檎の矮化栽培で環状剥皮処理をおこなう為の鋏らしい。長さは160mm程。
「九頭竜川」は、福井県越前市の老舗刃物メーカー「株式会社 澤数馬」の登録商標。そう言えばこの鋏の出品者様も福井県在住の方。





   ▲クワガタムシのメスやカミキリムシの大顎のような独特な形状をした刃は両刃になっている。ほっぺたには打ち損なって薄くなってはいるが、「九頭竜川」の刻印がある。





▲裏返すと楕円で囲われた「責任付」の刻印。

この刻印、どこかで見た事があるような…。






これこれ!


「丸三郎」の剪定鋏!!



「丸三郎」は山形県山形市円応寺の「今井製鋏所」の商標。この刻印といい、虫バネを取り付ける突起を中途半端な長さにぶった切っている点といい、九頭竜川の矮化鋏の製造元は今井製鋏所で間違いないはずだ。



    「全国法人情報データベース」によると、残念ながら「有限会社 今井製鋏所」は、2019年11月1日に(法人)登記が閉鎖されているという。


2019年10月22日火曜日

丸三郎の剪定鋏 その3


丸三郎  A型剪定鋏  7吋  金止


ヤフオクで丸三郎の剪定鋏を落札した。


▲平の部分に「登録  丸三郎」の刻印があるが、スペースが足りなくて右上が欠けている。ほっぺたには「責任付」の刻印が入っている。



▲なんと、刃の部分はろう付け(真鍮による溶接)されている。ろう付けの鋏を確認出来たのは「飛庄」「村久」に続いて3例目。



   ▲今年の8月に手に入れた丸三郎の8吋のA型と並べてみた。8吋の方はろう付けではない。7吋の方が刃が分厚くていかにも頑丈そうである。


   丸三郎の剪定鋏は山形県山形市円応寺町の「今井製鋏所」で作られていた。初代丸三郎の今井三郎氏はA型剪定鋏を開発した初代村久の元で鋏作りを学んでいる。

2019年8月7日水曜日

丸三郎の剪定鋏 その2


丸三郎  
A型剪定鋏  8吋  金止


▼Before





▼After  




    先日、ヤフオクで「丸三郎」のA型剪定鋏を発見した。入札してみたら他に誰も入札者がなく、あっさり落札出来てしまった。使用形跡のある中古の剪定鋏で、ヤニと錆びに覆われていたが紙ヤスリとコンパウンドだけできれいにする事が出来た。

   丸三郎は山形県山形市円応寺町の「今井製鋏所」の商標。今まで丸三郎の剪定鋏はネットでいくつか画像を見ているが、A型を確認したのは今回が初めて。考えてみれば丸三郎の初代である今井三郎氏は、A型剪定鋏を開発した野村屋製鋏所(村久)の初代、衡田久作氏に師事しているのでA型が作れてもおかしくはない。しかし残念ながらこのA型はろう付けではなく全鋼である。

    この前手に入れたB型もそうだったが、他のメーカーに比べて丸三郎の剪定鋏は刃が薄く、枝を剪定した時の食い付きが良いのだが、多分耐久性には問題があると思う。



2019年3月1日金曜日

丸三郎の剪定鋏


 丸三郎
剪定鋏  B型  皮止  8吋


   このブログ初登場の「丸三郎」の剪定鋏。
   
  「丸三郎」の銘の剪定鋏は、山形県山形市の「有限会社今井製鋏所」で製造されていた。

   今井製鋏所の初代は、「村久」こと「野村屋製鋏所」で鋏作りを学んだらしい。

   最近は丸三郎の新しい製品を見かけなくなっている。もう廃業してしまったのだろうか。

   これも先日ヤフオクで落札した中古の品である。
   刃は薄く、ちょっとした事ですぐに欠けてしまいそうな感じだ。



   


    実は、この鋏を手に入れた時は、こんな状態だった。








   全体がサビでおおわれ、刃先にはヤニがこびりついている。

   余程錆びやすい素材を使っているようで、サビを落とした後で水洗いしていると、またすぐにサビ始めたりした。

   握り部分のサビ止めには最初は「サビテクト」という塗料を塗ってみたのだが、うまく定着してくれなかったので、いつも通り黒染め液で表面を酸化させてからメタルプライマーを塗ってやった。

   本当は古くなった皮止も取り替えてやるつもりだったが、皮止を固定しているビスが硬すぎて歯が立たなかったので、皮の裏にもう1枚皮を貼って補強してやった。いつかちゃんと新しい物に取り替えてやりたいと思う。


   全体的にこの鋏、作りが甘いというか、雑な所がある。ただし切れ味だけは素晴らしいと思う。