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2020年5月2日土曜日

九頭竜川の矮化鋏


九頭竜川
矮化鋏


   最近メルカリで手に入れた変わった形の鋏。林檎の矮化栽培で環状剥皮処理をおこなう為の鋏らしい。長さは160mm程。
「九頭竜川」は、福井県越前市の老舗刃物メーカー「株式会社 澤数馬」の登録商標。そう言えばこの鋏の出品者様も福井県在住の方。





   ▲クワガタムシのメスやカミキリムシの大顎のような独特な形状をした刃は両刃になっている。ほっぺたには打ち損なって薄くなってはいるが、「九頭竜川」の刻印がある。





▲裏返すと楕円で囲われた「責任付」の刻印。

この刻印、どこかで見た事があるような…。






これこれ!


「丸三郎」の剪定鋏!!



「丸三郎」は山形県山形市円応寺の「今井製鋏所」の商標。この刻印といい、虫バネを取り付ける突起を中途半端な長さにぶった切っている点といい、九頭竜川の矮化鋏の製造元は今井製鋏所で間違いないはずだ。



    「全国法人情報データベース」によると、残念ながら「有限会社 今井製鋏所」は、2019年11月1日に(法人)登記が閉鎖されているという。


2018年2月19日月曜日

今日の剪定鋏 7

  「九頭竜川」A型剪定鋏200mm

  北陸の記録的大雪によって2月6日午前に発生した福井県の国道8号の交通渋滞は、1500台の車が立ち往生する事態になった。自衛隊が除雪の為に出動し、発生から60時間以上たった9日の午前1時頃、やっと渋滞は解消された。
  雪に埋もれた車の中で幾晩も夜を明かす事になった人達の不安や苦痛は相当なものだったろう。また手作業で除雪をして閉じ込められた人達を救出し、この非常事態を収束させた自衛隊員も大変だったに違いない。その場にいた全ての人達に御苦労様、よく頑張ったねと言ってあげたい。

  で、それと剪定鋏にどんな関係があるかと言えば、大雪とそれに伴う交通の規制や渋滞によって、福井県から仕入れたこの鋏が届くのに思ったより時間がかかったという事に過ぎない。2月5日に注文して今日19日に届いたので、2週間かかっている。

  「九頭竜川」は、福井県越前市の老舗刃物メーカー、「株式会社 澤数馬」の登録商標。越前市は、2005に武生市と今立町が合併して出来た市である。武生といえば、金属加工や打刃物で昔から有名な土地だから、剪定鋏くらい自前で作っているはずだと思いきや、この鋏、実は山形県山形市の「飛塚製鋏所」(飛庄)で作ったOEM製品である。














  横から見てみると、切刃、受刃共に真鍮でろう付けしているのがわかる。















  「飛庄」のA型剪定鋏と比べてみる。
  飛塚製鋏所のA型剪定鋏は、独特な形状をしているので別の刻印を打ってあってもすぐわかってしまう。右の鋏には「九頭竜川」と「責任付」の刻印があり、刃の表面はヘアライン仕上げになっている。左は「飛庄」と「飛塚別製」の刻印でミラー仕上げになっている点が異なる。








  他にも飛庄の製品には様々な刻印のバリエーションがある。過去の物も含めて地方の金物屋や園芸会社等の刻印が打ってある製品を全て集めたら膨大な数に及ぶだろう。そういった類の記録は何時か失われてしまうに違いない。その前に誰か全貌を明らかにしてくれないだろうか。