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2021年4月10日土曜日

新國光の青森型

 


新國光
剪定鋏  青森型



   ▲ヤフオクで新國光の青森型の剪定鋏を購入した。

    新國光(新国光)は山形市宮町の東北打刃物株式会社の商標。






    ▲長さは210mm。製造元は「飛庄」印で有名な山形市桧町の飛塚製鋏所。




    ▲だって飛塚製鋏所のホームページに同じ製品が掲載されているから。ただ、飛庄では「玉型」という名前で、しかも「現在、製造しておりません」となっている。






    ▲違いは多分刻印だけだと思う。もしかしたら新国光の刻印の物も在庫限りという可能性があるので、欲しい人は早めに手に入れておいた方が良いだろう。東北打刃物のホームページから直接買う事も出来る。





   ▲一見すると普通の皮止のB型剪定鋏に見えるが、





    ▲よく見るとナットが付いていない。山形の剪定鋏は受刃側に雌ネジが切ってあるので、ナットがなくてもボルトが弛んだりはしないのだが、あえてナットを省略している点は飛庄の飛龍型と同じである。



☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆



    ところで、自分が所有している剪定鋏を数えてみたら、もう既に100挺を超えていた。自分としては特に驚きはないが、他人から見たらちょっとやばい人だと思われるかも知れない。








2021年1月3日日曜日

飛庄の旧A型 その2

 

飛庄
A型剪定鋏  230㎜  (旧)


▲先日、メルカリで「飛庄」の中古の剪定鋏を入手した。230mmのA型剪定鋏である。本当は元々立バネが付いていたのだが、届いてすぐに虫バネに交換してしまった。





▲お馴染みの陰刻






▲刃は真鍮による鑞付け。
   ちょっと刃ががたついているからか、ティッシュペーパーのような柔らかい紙は切れなくなっているが、原稿用紙位ならスパスパ切る事が出来る。もちろん木の枝の剪定には全く問題は無い。







  ▲最近の飛庄のA型との比較。今の飛庄のA型は柄の形状が改良されて持ちやすくなっている。






▲昨年の10月にヤフオクで手に入れた飛庄の旧A型200mmとの比較。
   200mmの方は虫バネを取り付ける突起が短く切断されていて、虫バネを取り付けられないようになっている。これは作られた年代の違いによるのかも知れない。






▲同じ飛庄製と思われる「新國光」のA型剪定鋏との比較。
   こうして並べてみると、虫バネの取り付け位置や刃の厚さ等の微妙な違いが気になる。これも作った人や年代の違いによるものだろうか。









▲「村久」の旧A型との比較。
   あまりにも形状が似過ぎている。鑞付けのA型剪定鋏は柄の部分が鋳物製なので、外注先が同じだったのかも知れない。とすると、新國光のA型の製造元が飛庄だという推定も怪しくなってくる。かえって謎は深まるばかりである。




※ ちなみに、「飛庄」は、山形市桧町の「飛塚製鋏所」の商標。「新國光」は、山形市宮町の「東北打刃物株式会社」の商標。「村久」は、山形市円応寺町の「野村屋製鋏所」の商標。






2020年10月21日水曜日

飛庄の旧A型

 
飛庄
A型剪定鋏  金止   200mm
(改良前旧型)




▼Before


▲ヤフオクで飛庄の古い剪定鋏を落札した。
   出品者は以前にも何かでお世話になった山形市のKさん。山形市内の旧商店から出た物らしいが、商品として保管されていた物ではなく、かなり使用されていた形跡がある。全体が錆びだらけで切刃は刃こぼれが酷いが、幸い先端は折れていないので修復出来そうだ。





▼After


   ▲まず「ジョイ」と「バスマジックリン」でよく洗って汚れや油を落とし、コメリの「サビ取りジェル」で柄の部分の錆びを落とし、「強力カビハイター」でもう一度よく洗う。乾燥させた後、BIRCHWOODCASEYの「Aluminum Black Metal Finish」で刃以外の表面に酸化膜を作り、GSIクレオスの「Mr.メタルプライマー」を塗って錆び止めをする。またまた乾燥させた後、「紙ヤスリ」を使って刃の部分を磨き、タカラの「コンパウンド」で切刃の艶出しをした。刃の部分にサビ取りジェルを使わなかったのは、金属を溶かす力が強すぎて最後に艶が出なくなる虞があった為。今回は紙ヤスリだけで刃こぼれまで消す事が出来た。元々家にある物だけで間に合わせたので、かかった費用は¥0。作業時間は乾燥時間を除いて延べ4~5時間位だろうか。







    ▲刃を開くとこんな感じで結構大きく開く。使用する時は金止を写真のように折り畳むのが正しいらしい。






▲切刃の平にはうっすらと「飛庄」の刻印。その上にも打刻があるが読み取る事が出来ない。多分「登録商標」ではないだろうか。左のほっぺたには「A」と「責任付」、右のほっぺたには「別製飛塚」と刻印が打たれている。






   ▲現在の飛庄製A型と同じく、刃が鑞付けされている。












   以前「新国光」のA型を見て、おそらく製造元は飛塚製鋏所だろうと推定していたが、当時は飛庄の刻印が打たれた古いタイプのA型をまだ所有していなかったので確信が持てずにいた。今回やっと念願が叶って両者を比較する事が出来る。


▲左が「飛庄」、右が「新国光」。







▲上が「飛庄」、下が「新国光」。
    虫バネを固定する突起の長さや金止の板バネの形状等に違いがあるが、全体的にほぼ同じ形をしている。特に柄の内側が凹まずにソリッドになっている点は、一部の例外(村久の旧A型9インチ)を除いて飛庄の旧A型の特徴と言って良いだろう。







▼ついでに今の飛庄のA型と比較してみた。


▲左が旧A型、右が改良A型。どちらも200mm。
   使いやすさと軽量化を図り、グリップの形状が大きく変わっているが、鋏を時々裏返しに持ち替えて使うような人は、むしろ改良前の旧型の方が便利だと感じるかも知れない。









2020年5月1日金曜日

新国光の剪定鋏 その2


新国光
A型剪定鋏  9吋  金止


   また「新国光」のA型剪定鋏をヤフオクで落札した。今度は230mm(9インチ)である。出品者様はこの前の200mmと同じ、福島県在住の方。




▲この鋏の刃も真鍮で鑞付けされている。
切刃、受刃とも分厚くて頑丈そう。



   ▲鏡面仕上げされた切刃の平には「新国光」の刻印。左のほっぺたには「A」、右のほっぺたには「責任付」の刻印。




▲裏面は刻印無し。




    ▲柄の内側はやはり肉抜きされていない。「村久」の旧A型の230mmと似ているが、村久は金止の板バネを固定しているリベットがプラスネジかマイナスネジになっている点が違う。他にも刃の厚みや虫バネの取り付け位置など相違点がいくつかある。




これで新国光のA型が3サイズ揃った。


左から7インチ、8インチ、9インチ。
    9インチも虫バネを取り付けるつもりだったが、ストックが無かったので今度買ってくるつもりだ。


゚・*:.。..。.:+・゚゚・*:.。..。.:+・゚



   ※「新国光」は、山形県山形市宮町の「東北打刃物株式会社」の商標。

   ※「村久」は、山形県山形市円応寺町の「野村屋製鋏所」の商標。

2020年4月25日土曜日

新国光の剪定鋏


新国光
A型剪定鋏  8吋  金止


最近ヤフオクで入手した剪定鋏。
「新国光」は、山形県山形市宮町の「東北打刃物株式会社」の商標。





▲切刃は鏡面仕上げになっていて、平の部分に新国光の刻印が入っている。




▲裏返すと受刃に「吉正作」の刻印。





   ▲柄の内側は平らで凹んでいない。そのせいでかなり重量がある。





▲刃はろう付けされている。






▲昔近所のコメリで買った新国光のA型7吋との比較。左が7インチ、右が8インチ。どちらもろう付け。7インチの方は購入後に立バネを虫バネに交換している。





▲楽天で買った「萩の月」の刻印があるろう付けA型との比較。左が萩の月、右が新国光。同じ形をしているのが分かる。やはりこれもバネを交換しているが、元々は立バネが付いていた。「萩の月」は、山形県山形市花楯にある「花楯産業株式会社」の商標。花楯産業は東北打刃物から昭和52年に分離独立した会社。






▲結局この新国光の鋏も虫バネにしてみた。


   おそらくこれらの剪定鋏は「飛庄」(飛塚製鋏所)で作られたものだろう。現在の飛庄のA型は改良型で、柄の形状が異なっているが、これらは改良前の旧A型だと思われる。残念ながら飛庄の刻印のある旧A型を所有してないので絶対とは言えないが、そのうちなんとか入手して確認したいと思っている。(その後の考察で小松製鋏所製である可能性も浮上してきた)












2018年6月18日月曜日

今日の剪定鋏 17

  越後花吹雪  A型 200mm 剪定鋏

   たったひとつの真実見抜く、見た目は大人、頭脳は子供、その名は「酩探偵かねぽん」。

   さあ、皆さんお待ちかね(?)の、剪定鋏の世界の謎を解明するコーナー(笑)がまたやって来た。


   今日は薔薇の剪定に越後花吹雪の剪定鋏を使用した。切れ味、握り心地共に素晴らしい。全体の仕上げも丁寧でありながら手作りの味わいを残しており、格好いい鋏だと思う。

「越後花吹雪」は、新潟県三条市の刃物問屋、「有限会社マルワ工器」の登録商標である。

この鋏にも「花吹雪」の刻印がしっかりと打ち込まれている。

裏側には「別打」の刻印
  この刻印を「山広」のS型剪定鋏と比較すると、ぴったりと一致する。
という事は、つまり越後花吹雪のA型剪定鋏は、山広印の剪定鋏を作る山形県山形市の「山川製鋏所」が製造元である事が分かるだろう。


 手持ちの山川製鋏所の製品を並べてみた。左から2つが「花吹雪」まん中2つが「山広」右2つが「新國光」の銘になっている。
   ちなみに「新國光」は、山形県山形市の「東北打刃物株式会社」の商標である。

    自分の剪定鋏の中に、ひょっとしたらまだ他にも山川製鋏所の製品があるのかもしれないが、今回はっきり確認出来たのはこれだけだった。


   今日もまた、謎がひとつ解かれ、真実が明るみになった。
   しかし、まだ剪定鋏の世界は多くの謎に満ち、深い闇に閉ざされている。いつか全てが白日の下に晒される時は訪れるのだろうか。

  酩探偵かねぽん、次回も(やるかどうかわからんが)お楽しみに!


2018年2月3日土曜日

今日の剪定鋏 4

  新国光  剪定鋏  A型  7吋














  新国光は、山形県山形市の東北打刃物株式会社の商標。

 












   このA型7吋(インチ)の剪定鋏は、マルエーブル(白心可鍛鋳鉄)の柄に日立金属の炭素工具鋼SK85(旧JIS規格のSK5)の刃を真鍮でろう付け(溶接)して作っている。

 












    A型の剪定鋏は、衡田久作という人(「村久」初代 )が開発したらしい。

 
   また、ろう付けというと飛庄の剪定鋏が有名だが、現在の飛庄のA型は、8吋と9吋がろう付けで、7吋は全鋼になっている。
    長さは約17cm。
    元々は立バネがついていたが、後から虫バネに交換してある。
 

    今日はクリスマスローズの古い葉っぱをとってやった。本当はもっと早い時期にやるべきだったかも知れない。普通は芽切り鋏でじゅうぶんな仕事だけど、この小さな剪定鋏をちょっと使ってみたくなったので引っ張り出してきた。

  この剪定鋏、たしかホームセンターのダイユー8で買ったような気がするが、よく覚えてない。