2021年6月12日土曜日

眞臘風土記

 
東洋文庫 507

真臘風土記
アンコール期のカンボジア

周  達  観
和田久徳 訳注



平凡社
1989年8月10日 初版第1刷発行
2008年9月5日 初版第3刷発行


   クメール王朝時代のカンボジアについて書かれた本。著者の周達観は中国人で、元(モンゴル帝国)の外交使節に随行して、西暦1296年8月から1297年7月まで、当時カンボジアの首都だったアンコール・トムに滞在している。漢文で書かれた原本は既に存在しないが、一部を抜粋した版本がいくつか知られており、この本はそれらに基づいて翻訳されている。当時のカンボジアの国王は、ジャヤーバルマン8世を殺害して王位に就いたシュリーンドラバルマンだったが、すでにカンボジアはモンゴルの侵攻を受けており、クメール帝国には衰退の兆しが見えていたらしい。それでもまだ輝きを失っていなかった頃のクメール王朝の目を見張る絢爛さや、活気に満ちたカンボジアの興味深い風俗が生き生きと描かれていて、まるで現代の観光ガイド本を読んでるようだった。









2 件のコメント:

さんのコメント...

難しそうと思って敬遠していましたが、読んでみたくなりました。

かねぽん さんのコメント...

春さん、実はこの本をいつどこで買ったのかよく覚えてないんですよ。遺跡とか考古学に興味があったのもずいぶん昔ですし。もしかしたら装丁にひかれて買ったのかも。