2019年6月27日木曜日

米沢型の鉈 その5


また米沢型の鉈を2本、ヤフオクで手に入れた。


   1つ目は山形県米沢市でリサイクルショップを営んでいる人から。


   刃は長さ7寸位で、刻印等はなく、どこでだれが作った物かは分からない。山葡萄製の鉈入がついているが底が破れているのでこのままでは使えないだろう。材料を山から取ってくれば補修はそんなに難しくないはずだが、使う予定もないのでこれは資料としてこのままにしておくつもりだ。







もう1つは埼玉県の出品者から。


これも刃の長さは同じ7寸だが、かなり細長い。
そして「道次」の刻印が打ち込まれている。
   赤沼博志氏の著した「会津手語り」によると、「道次」は福島県喜多方市の鍛冶の銘だという。
   今自分の手元には米沢型の鉈が7本あるが、作り手がはっきり分かったのはこれが初めてである。

   実は同じ出品者がこの鉈に元々ついていた山葡萄製の鉈入を別に出品していたのだが、1つ目の写真とほとんど変わらない物だったので入札しなかった。





2本を比べてみる。


   こうして見ると右側の鉈の刃が細いのが分かるだろう。元々こうだったのか、研ぎ減りしてこうなったのか、あるいは欠けたのをごまかす為に削ったのか、それは分からないが、
いずれにせよ作り手が同じだとは思えない。
形は似ているが、どう見ても別人の作だろう。

2 件のコメント:

さんのコメント...

続々と集まってきていますね。
昔は、山歩きをするときは、鉈が必需品だったんでしょうね。
ここいらでも、古道を見つけて歩いている人は鉈で切り開きながら歩くそうです。
例えば、斜面に瓦を焼く窯があったとしたら、木はどこから運んできただろうと、地形や地図を見ながら推理して歩いていくと、ひっそり埋もれていた道祖神に出逢ったりするそうです。

かねぽん さんのコメント...

春さん、米沢型の鉈は「お鷹ぽっぽ」で有名な笹野一刀彫の職人も丸太を大まかに成形する時に使っているようです。
比較的刃が薄いので見た目より軽くて使いやすいのですが、山奥でのハードな作業にはあまりむいていないかもしれません。
主に芝を刈ったり、クルミの殻を割ったり、藁を刻んだり、そんな農家の日常生活に使われていたのだと思います。
我が家の近辺にも忘れ去られた小さな祠や石碑が沢山あります。崇める人が1人もいなくなった神様はずっとそこで眠り続けているんでしょうか。それともどこかに行ってしまうんでしょうか。