日本産オサムシ図説
The Carabus of Japan
The Carabus of Japan
井村 有希・水沢 清行
2013年9月20日 第1刷
昆虫文献 六本脚 発行
日本で見られる全てのオサムシについて網羅されている図鑑。著者の1人、井村有希氏は医師、もう1人の水沢清行氏は株式会社サガミの会長をされていて、どちらもプロの学者ではないが、オサムシについてはプロ以上に詳しい2人だ。
オサムシは後翅が退化していて移動範囲が限られる為に種の分化が起こり易い。外見が似ていても交尾器の形状が違っていれば交尾は出来ないので、遺伝子を解析しなくても交尾器の形状の違いで種の同定が出来る。この本について特筆すべきなのは、日本産オサムシ全種の交尾器の拡大写真がカラーで掲載されている点だ。
また、古い本には載っていない新しい種が載っているのも嬉しい。2001年に利尻島で発見され、2004年に記載されたマックレイセアカオサムシの利尻島亜種や、2012年に記載された新種、ホウオウオサムシについての報告は、オサムシオタクにとっては最高の御馳走だろう。
いや、自分は違うけど。
とにかく、この本は日本産のオサムシ図鑑の決定版であり、今後も暫くはこれ以上の本が出版される事は無いと確信する。
2 件のコメント:
すごいなぁ!オサムシに対するこの情熱。
すごいなぁとしか言えません。
春さん、この2人は1996年に出版された「世界のオサムシ大図鑑」の著者でもあります。
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