CCCP
C199022
2006年に発売された「CCCP」の手巻き式クロノグラフ。もともと新品の定価が安かった事もあって、今回ヤフオクで中古品を信じられない価格で入手出来た。
ギョーシェ彫りの文字盤やオニオンクラウンなど、クラシカルなデザインが良い。夜光は無いので暗い所では時刻を読み取れない。ステンレスのケースは50m防水。風防はおそらくサファイアではなく普通のミネラルガラスだと思う。ケースの直径は40mmで厚みは14mm。ラグ幅は19mm。
皮のベルトはだいぶ傷んでいたので手元にあった別の物と交換した。ラグの形状がちょっと変わっているが、普通の皮ベルトをクラフトナイフで簡単な加工をしただけで取り付ける事が出来た。
「CCCP」は、本来「ソビエト社会主義共和国連邦」を意味するロシア語だが、ドイツ・フランクフルトでソ連崩壊翌年の1994年にドイツ人が創業した「ポレオット・インターナショナル」(POLJOT-INTERNATIONAL)のブランドである。ロシア製ムーブメントを使用してドイツで組み立てをおこなった製品で知られている。
もともと「ポレオット」(Полёт) は、1930年にスターリンの命令で生産を開始した「モスクワ第一時計工場」のブランドだったが、モスクワ第一時計工場は2004年に解散している。
このクロノグラフ「C199022」にもロシア製のムーブメントが搭載されている。
このモデルのムーヴメントは、スイスの Valjoux7734の生産設備と権利をソ連が買い取り、ライセンス生産した手巻き式5振動の「Poljot 3133」。オリジナルのValjoux7734の方はいわゆるクォーツショックの影響で1978年に生産が終了しており、その後の1985年頃からPoljot 3133の生産が始まっているが、現在のPoljot3133は改良されて昔のValjoux7734とは若干部品が違っている。(たとえば石の数が17から23になっている)
ちなみに「CCCP」はロシアのキリル文字だと「エスエスエスエル」と発音するが、ドイツ語なら「ツェーツェーツェーペー」となる。
「ポレオット」(Полёт)の発音も、ロシアでは「パリョート」に近い。日本語に訳すと「飛行」。
「ポレオット」(Полёт)の発音も、ロシアでは「パリョート」に近い。日本語に訳すと「飛行」。
「Valjoux7734」の原型は1948年に誕生した「Venus188」。
バルジューがビーナスを買収してValjoux7730に名称が変わり、1965年にハンマーに修正を加えて7733に、カレンダーが加わって7734に、12時間積算計が追加されて7736に、レガッタスタート用10分間秒読み機能が追加されて7737になった。
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