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2022年9月29日木曜日

丸清の古い剪定鋏

 

山形丸清
A型剪定鋏 8吋 



▲ヤフオクで、山形丸清の中古のA型剪定鋏を落札した。出品者様は福岡市の方。山形丸清は山形市円応寺町の「有限会社工藤製鋏所」の商標。






▲裏側。







▲刃は真鍮で鑞付けされている。







▲丸清の鑞付けは一昨年にメルカリで購入していたので、それと比較してみた。左が今回落札した物で、右が前回入手した物。左の鋏は、刻印の「清」の文字が草書になっている。







▲それと、柄の内側が凹んでいないので、その分重くなっている。飛庄の旧A型にそっくりで紛らわしいが、合紋(あいもん)の位置が異なる。合紋というのは鋏を作る時に、切刃と受刃の組み合わせを間違えないようにする為の目印の事。飛庄は組上がると目立たない位置に打刻しているのに対し、丸清は柄の内側に打っている。

   おそらくこの鋏は工藤製鋏所の初代、工藤清吉氏の作だと思われる。











2022年2月2日水曜日

鍛冶匠

 


工藤製鋏所
葉刈用片手刈込鋏皮止



 ▲通販サイト「山形の特産品・とっておきの山形」を通して、山形市円応寺町の「工藤製鋏所」の刈込鋏を購入した。長さ30cmの大型の鋏である。通販サイトに注文したのは金止だったが、もう製造を中止していて、在庫がないらしく、皮止で良ければとの事だったので、こちらを送って貰った。





▲表側には「鍛冶匠」の切銘。







    ▲裏側には「羽州」の打刻。この鋏にはどこにも工藤製鋏所を示す刻印が無い。







▲刃は反刃になっている。





  ▲写真では判り難いが、刃裏は両方とも裏スキが施されている。鋏鍛冶の持てる技術を総動員した、長年の経験の集大成とも言える「作品」と成っている。既に通販サイトでは売り切れになっているようなので、今回こんな入手困難な品を購入出来た事は幸運だったと思う。







2020年9月25日金曜日

丸清の剪定鋏 その2

 

山形丸清印 

 A型剪定鋏  180mm  金止



久しぶりに買った剪定鋏。

   山形丸清印の剪定鋏を作る「有限会社工藤製鋏所」は、山形県山形市円応寺町にある鋏メーカー。初代の工藤清吉氏は野村屋製鋏所の初代村久・衡田久作氏の元で修行している。現在は三代目の工藤清治氏が技を受け継いでいる。




▲切刃の平に「山形◯清」、左のほっぺたに「A 」、右のほっぺたに「工藤別製」と刻印が打ってある。他社同様、工藤製鋏所のA型剪定鋏も昔は鑞付けだったが、最近作られたこの製品は鑞付けではない。







   ▲受刃の側から見る。刃は他社製品に比べてあまり大きく開かないようになっている。





   ▲柄の内側にある虫バネを固定する為の突起は短く、立バネしか使えないようになっている。






▲丸清のA型剪定鋏達。
   左から180mm、200mm、230mm。全長の違いに関わらず、ボルトや立バネ、留め金の大きさは皆同じだが、特に問題はないようだ。






   自分が所有する同サイズ(170~180mm)のA型をかき集めて並べてみた。


▲左上から右に「工藤製」「飛塚製」「旧飛塚製(新国光銘、鑞付け)」「細谷製(菊一文字銘)」左下から「野村屋製(3代作)」「野村屋製(2代作?)」「野村屋製(初代作、鑞付け)」「今井製(鑞付け)」。

     

メーカーや時代によって微妙に形状が異なるのが分かるだろうか?














2020年1月21日火曜日

丸清の剪定鋏


山形丸清印  A型剪定鋏 
 200mm  金止



    先日、メルカリを見ていたら工藤製鋏所の山形丸清印の中古の剪定鋏が出品されていた。既に工藤製鋏所のA型は持っているのだが、それとは少し違っているようなので早速購入させてもらった。出品者は岐阜で庭師をされている人だった。

   届いた鋏は良く手入れされていて切れ味も問題無かったのだが、もう少し手を加えて新品に近付けてあげようと思った。まず分解して全体を洗い、その後紙ヤスリで錆や汚れを落とし、柄の部分は酸化処理後メタルプライマーで錆止めをし、刃にはコンパウンドをかけて磨いてみた。




▼Before






▼After





少しはマシになっただろうか?



▲刃の平には「山形丸清」(丸清は◯の中に清)     左のほっぺたには「A」   右のほっぺたには「工藤別製」の刻印がある。





同じ丸清印のA型の現行品と比べてみる。


▲左が今回入手した中古の鋏。右が以前購入した新品。
こうして比べてみても大きな違いは見られない。中古の方が少しスリムなくらいか?





でも中古の鋏をよく見てみると


  ▲刃がろう付け(真鍮による熔接)になっているのが分かる。
   現行品は全鋼でろう付けではない。おそらく工藤製鋏所では三代目の工藤清治氏になってからはろう付けは作られていないだろうから、これは初代の清吉氏か二代目の清一氏の作だと思われる。自分が確認した限りでは、ろう付けのA型を作っていたメーカーはこれで4社目だ。




各メーカーのろう付け剪定鋏。


▲左から「丸清」(工藤製鋏所)   「村久」(野村屋製鋏所)    「飛庄」(飛塚製鋏所)   「丸三郎」(今井製鋏所)。

 
   刃の形状がみんな似かよっているので刻印が無ければ見分けるのは難しいが、鋳物製の柄の形状が何故かそれぞれ微妙に違っているので、たとえ卸し先の刻印が入っている場合でもある程度メーカーを特定する事は可能だ。

   この中でろう付けの剪定鋏を今でも作っているのは飛塚製鋏所だけである。


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 「有限会社工藤製鋏所」は、山形県山形市円応寺町にある鋏メーカー。初代の工藤清吉氏は野村屋製鋏所の初代村久・衡田久作氏の元で修行している。現在は三代目の工藤清治氏が技を受け継いでいる。


2018年3月29日木曜日

今日の剪定鋏 11

  マルマン佐藤  剪定木鋏 AG-15
  (後編)




「たった1つの真実見抜く、見た目は大人、頭脳は子供、その名は『酩探偵かねぽん』!」

  前回のあらすじ。
   かねぽんは、ある日偶然立ち寄ったホームセンターにおいて、1本の見慣れない剪定鋏と出会った。彼は「マルマン佐藤」と名乗っていたが、彼の正体を不審に思ったかねぽんは、調査に乗り出した。彼の正体は果たして…。

  まあ、正体も何も最初から「工藤製鋏所」で作った物だろうとアタリは付けていたんだけど、一応ちゃんと確認しておこうと思って、買ってみたよ、ほら、「丸清」印の片手刈込鋏裏スキ。















   2つを比べてみると、全体の形は同じだって事が分かる。左が「丸万」で右が「丸清」。刻印の他に違う点は、「丸清」の方は金止になっていて、刃に裏スキが施されている事。
  ついでにもう1つ、気になる鋏があったので取り寄せてみた。(楽天のポイントを使ったのでお金は払ってない。)
   「宗寛」の「根切兼刈込長刃」
  3つ並べてみると殆んど形が同じだという事が分かる。ただ「宗寛」には裏スキが無い。
  それぞれの刻印はこんな感じ。上から「マルマン佐藤」「工藤製鋏所」「阿武隈川宗寛刃物工場」














   これで「丸万」の「AG-15」と「宗寛」の「根切兼片手刈込長刃」の製造元が「丸清」こと「工藤製鋏所」である事は証明出来たと思う。だがそれぞれ微妙な所が違っていて、製品ごとの個性を出しているのが面白い。


  ~~エピローグ~~
  いつものように立バネを虫バネに交換してみた。みんなお揃いでなんか可愛くなったような気がする。

   酩探偵かねぽん、次回も(やるかどうかわからんが)お楽しみに!