世界の傑作機 No.212
メッサーシュミット Me323 ギガント
FAMOUS AIRPLANES OF THE WORLD
MESSERSCHMITT Me 323 GIGANT
株式会社文林堂
令和7年3月20日発行
▲文林堂から隔月で発行されている「世界の傑作機」シリーズ。毎回特定の飛行機について、専門家の詳しい解説やその機体に直接関わった当事者達の体験談、実機の貴重な写真や細部の図面等が掲載されている。戦史読物としても楽しめ、また模型を作る時の資料としても役立つ、他に類を見ない出版物だと言える。しばらく新刊が発売されていなかったので廃刊になったのかと心配していたが、どうやら取り越し苦労だったようだ。
今回は第二次大戦中にドイツ軍で運用された巨大輸送機「メッサーシュミット Me323 ギガント」を取り上げている。解説は、ドイツ軍機と言えはこの人、お馴染みの国江隆夫氏。「Me323」は、他の飛行機で曳航していた大型グライダーの「Me321」にノーム・エンジン6発と車輪を10輪取り付けて自力で飛行できるようにした機体で、鋼管の骨組みに麻布を張った構造なのは変わらなかった。全長28.15m,全幅55m。航続距離は約750〜1300km、積載重量は約9〜11.5tで、軽戦車1台、兵員なら100名程を運ぶ事ができた。最高速度は219〜260km程だった為、ノロノロ飛んでいるうちに敵機に見付かって撃ち落とされる事もしばしばあったようだが、それでもこの当時これ程の輸送能力を持つ陸上飛行機が他に無かった事を考えると、Me323が傑作機であったのは間違いないだろう。総生産機数は200機前後だった。
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