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2019年3月23日土曜日

鍛冶職人の本


日本鍛冶紀行
鉄の匠を訪ね歩く

文・かくまつとむ
写真・大橋弘


2007年、ワールドフォトプレス発行


   表紙に「全都道府県の鍛冶職人をめぐった集大成。」と書いているが、ちゃんと記事として掲載されているのはその内の一部にすぎない。
けれども現代の鍛冶屋さんの生の声を聞いて作った本は他に少なく、とても貴重な記録である。

  この10年程の間にも後継者不足や受注の減少で廃業・倒産した鍛冶屋がいくつもあると聞いている。これからの時代にこんな本を書くのは不可能に近いだろう。

2019年3月17日日曜日

刃物関連本


「打刃物職人」


写真・三原久明

文・服部夏生

2004年5月5日発行






「はたらく刃物」


写真・大橋弘

文・かくまつとむ

2012年3月25日発行








「刃物大全」


   写真・秋山実、圷正史、大橋弘、関根秀樹、堤長則、三原久明、宮坂政邦、山崎義郎、和田悟、他

   文・圷正史、かくまつとむ、菊池仁志、関根秀樹、土田昇、山崎義郎、他

2013年1月25日発行


      発行所・株式会社ワールドフォトプレス (3冊とも)




   楽天のポイントが貯まったので、刃物に関する本を3冊買った。

  1冊目の「打刃物職人」は、刃物の作り手、鍛冶に焦点を当てた本。

   それに対して2冊目の「はたらく刃物」は、刃物を仕事で使う人に注目した本。

   そして3冊目の「刃物大全」は、刃物全般について様々な角度から見つめている。

   3冊とも大判の美しい写真と、職人や刃物の歴史についての興味深い逸話が豊富に載っている。
   本で取材されている職人の中には既に亡くなっている人もいるので、今となっては貴重な証言記録となっている記事もある。
   とにかく刃物好きにとっては、どれもすばらしい本だと思う。



   でも、何故かどの本にも剪定鋏の事が全然載ってなかった。

   きっとそのうち誰か「はさみ大全」とかいう本を出してくれるんだろう。

2018年8月20日月曜日

今日のナイフ 10


番外編

「米沢型の鉈」その2

   山形県米沢市の「三沢コミュニティセンター」内にある「よねざわ昆虫館」を一通り見終わって、そろそろ帰ろうと思って外に出た時、周辺の地図を書いた掲示板があるのに気付いた。近くでよく見ると、ここのすぐ隣に「民具館」なる表示がある。ちょっと気になったのと、少し時間もあったので寄ってみる事にした。

   オートバイはそのままコミュニティセンターの駐車場に停めて歩いていったが、それらしい案内板も看板も無い。三沢小学校の校門まで歩いてみて途中にあったのは、子供達が野球の練習をしている小学校のグランドの手前に建っている小さな家だけ。ひょとしたらと、もと来た道を戻って小さな家の反対側にまわって家の中を覗いてみたら、どうやらそこが目的の「民具館」のようだった。

    館の中にいた女の人(館長?)に挨拶して「中見せてもらっていいですか?」と訊いたら「どうぞ」との事。その人の言うには、やっと整理が終わった所だそうで、もしかしたらまだオープン前だったのかも知れない。館に表札も看板も見当たらないのはそのためだろうか。館の中に入るとそこにはガラスのショーケースとかは無く、所狭しと様々な古民具が剥き出しの状態で置いてある。写真を撮っても良いかと尋ねたら「多分」と歯切れの悪い返事だったが、自分の都合の良い方に解釈させてもらった。

   人が中に入れそうな大きな鉄釜があった。自分はてっきり五右衛門風呂かと思ったのだが、館の女の人は「味噌釜」だと教えてくれた。これで味噌の原料の大豆を炊いたらしい。昔は集落に1つこういう大釜があって共同で使っていたと言う。


今でも十分使えそうな大鋸もある。


  つい昨日まで使っていたような大鎌もある。


  また大鋸。そして羊の毛を刈る為の大きな和鋏。


  糸を紡いだり、はたを織ったりする為の道具や部品。


「荷鞍」と呼ばれる物。人が乗る為の鞍ではなく、牛や馬に荷物を背負わせる為の鞍らしい。


  鉈や斧の類もある。自分が気になったのは真ん中辺りにある植物で編んだ鞘に収まっている鉈らしき物2点。
 館の女の人に頼んで中身を拝見させてもらうと、




やっぱり「米沢型」の鉈だった。
  喉から手が出る程欲しい、大好きな米沢型の鉈。誰も見ていなかったら黙ってこっそり持って帰っていたかも知れない。と言うのは冗談だが、館の女の人はこれが米沢型と呼ばれる事は知らなかったらしい。自分が教えてあげたら早速名札を作って鉈に取り付けていた。

   全体的にこの「民具館」に展示されている品は、比較的新しい、戦後まで使われていた道具が多いように見受けられた。これらの道具は、大きな博物館で展示する程の古くて貴重な物ではないかも知れないが、むしろだからこそ誰かが守っていかなければいけないような気もする。地元で使われていた道具を地元で保存・展示するのは、現代と後世の人々がその地域の歴史を理解する上で必ず役に立ってくれるだろう。
   そして何よりこういう「民具館」や「昆虫館」のような面白い場所が近くにある事が嬉しいし、出来ればもっと増えてくれたらいいのにと思っている。

2018年7月30日月曜日

今日のナイフ 9


番外編

「米沢型の鉈」
 この2本の古い鉈は、自分の父親が持っていた物で、自分も昔使っていた事がある。最近は使ってないので全く手入れしてないのと、保管場所が悪かったのとで錆だらけになっている。

  これらの鉈は、先端に尖った「イシヅキ」(他に『トビ』とか『ハナ』とか『ハシ』とか呼ばれる場合もある)が付いているのが特徴で、「米沢型」と言われているが、おそらく米沢ではもう作られていないと思う。かつては米沢だけでなく、山形県とその周辺の広い地域で見られた形だが、最近はあまり出回っていないようだ。鉈の需要が無くなったというわけではなく、ホームセンターのチェーン店が増えた事で他所から全鋼の安い製品が入って来るようになったのが要因だと思う。実際今手に入る米沢型は新潟の三条辺りで作られている。
  刃渡りは、右が20cm、左が18cm。元々は右側のように太短い柄がついていたのだが、左側のは壊れてしまったのでホームセンターで買った別の物に取り替えてある。
   もう作られていないとなると余計欲しくなるのが人の(というより自分の)性なので、米沢の鍛冶屋が作った米沢型の鉈があったら、たとえ中古でもいいから手に入れたいと思う。こういう刃物は使われていなくても急に消えて無くなったりしないはずだから、あちこちの物置や納屋で眠っているはずである。

2018年3月24日土曜日

今日のナイフ 8

  ケース  「スモール ストックマン」
W.R.Case & Sons  Cutlery Company
  'Small Stockman’

   ハンドルの長さだけだと57mm程の、この小さなポケットナイフは、たしかヤフオクで大分前に手に入れた物だと思う。刃が随分研ぎ減りしていて錆びだらけだったので、かなり価格は安かったが古いナイフである事は間違いなかった。







  刃の根元部分には刻印がある。ケース社のナイフはこの刻印(Tang Stamp)のデザインで製造年がわかる。ケース社のホームページに掲載されている対応表を見ると、このナイフは1940~1964年に製造された物らしい。狙い通り結構古いナイフだったようだ。








  その裏側にも刻印があって、「6333」という数字が刻まれている。1番左の数字がハンドルの素材、2番目が刃の数、その他はナイフのパターン(形状)を表しているらしい。
  同じくケース社のホームページによると、このナイフのパターンは「Small Pen Knife」もしくは「Small Stockman」と言うらしい。








   昨夜このナイフを弄っていて、親指を少し切ってしまった。古いナイフだからといって油断は出来ない。良い刃物は古くてもよく切れるのだろう。
   ところで、ケースのナイフって、新品だと何であんなに高いの?  自分は古い方が好きだから別にいいんだけど。

    「ケース」社 (W.R.Case & Sons Cutlery Company) は、1889年創業のアメリカのナイフメーカー。1993年からは Zippo Manufacturing Company の傘下になっている。

2018年3月8日木曜日

今日のナイフ 7

  ガーバー  ヒンダラー CLS
   GERBER  HINDERER  CLS
   「ガーバー」社(GERBER)は、アメリカ オレゴン州のナイフメーカー。1939年、広告代理店を営んでいたジョゼフ・R・ガーバー(Joseph R. Gerber)により設立。1987年からはフィンランドのカトラリーメーカー、フィスカース(Fiskars)の傘下となっている。
   「ヒンダラー CLS」は、アメリカのナイフデザイナー、リック・ヒンダラー(Rick Hinderer)氏がデザインしたレスキューナイフ。
   リック・ヒンダラー氏は、元消防士で、1980年代からアートナイフを製作していたが、レスキューダイビングチームに加入したのをきっかけに実用的なタクティカルナイフをデザインするようになったという。
   ハンドルはGFN(Glass Filled Nylon)製で片面にクリップがある。
   ハンドルエンドには、自動車の強化ガラスを割る為のウインドウブレイカーと、シートベルトカッターが付いている。
   ハーフセレーションのブレードの鋼材は、愛知製鋼のSUS440Aというステンレスで、ブラックコーティングが施されている。
  ブレードの固定はライナーロック式だが、ハンドルのボタン状スライドレバーでロックを解除出来る。
  また、ブレードを開いた時にサムスタッドがハンドルに密着しているのはヒンダラー氏のフォールディングナイフの特徴のひとつで、これによりブレードのぐらつきが抑えられ、耐久性が増している。







   デザイン、機能共によく考え抜かれたナイフだと思う。初めて「ナイフマガジン」誌で見かけた時、なんてカッコいいナイフだろうと思って、すぐ注文したのを覚えている。
  ヒンダラー氏のデザインのナイフは、生産数が少なく高価な物が多いが、これは大手メーカーで出している事もあってかなり手頃な値段だったし、品質も確かである。
  ただ、肝心の刃の切れ味は、大したこと無いというか普通である。

2018年2月14日水曜日

今日のナイフ 6

  ベレッタ  ラブレス
 ドロップポイントハンター
  Beretta   Loveless
  Drop Point Hunter

  イタリアの銃器メーカー、ベレッタのアメリカ法人、ベレッタUSAのナイフ部門から販売されたラブレス・デザインのハンティングナイフ。
  ボブ・ラブレス(Robert  Waldorf  Loveless)は、1929年にオハイオ州で生まれたアメリカのナイフ製作者。2010年没。
   当時、ナイフの製造は鍛造が中心だった中で、板状の鋼材の削り出しによって、簡単な設備を使い短期間で実用性の高い優れたナイフを製作し脚光を浴びた。
  現在、ラブレス本人が製作したナイフは高値で取引されているが、これは大手メーカーから出た大量生産品なので、比較的安価である。細かい点を除いてラブレスのデザインがうまく再現されている。
   フルテーパードタング、ドロップポイントブレード、ホローグラインドのミラー仕上げ。(もしかしたらメッキかも知れない)














   鋼材は、愛知製鋼のAUS-8Aというステンレス、ハンドルはQuince(マルメロ)となっているが、恐らく本花梨の瘤材だと思う。
  実際の製造は、岐阜県関市のナイフメーカー、「モキナイフ」が請け負っている。














  これが「フルテーパードタング」。
  刃の鋼材が徐々に薄くなりながら柄頭まではいっている。ラブレスのナイフの特徴のひとつで、重量バランスと耐久性が考慮されている。















 
   このナイフ、鶏肉の皮とか筋とかスパスパ切れて気持ちいいやら怖いやら。
  一応限定品だったので、今では中々手に入らないかも知れない。

2018年2月12日月曜日

今日の絶滅器具種 5


タイトルの漢字が間違っていると思われるかも知れない。普通は絶滅危惧種と表記するのだが、ここで取り上げるのは、昔は沢山存在していたのに最近あまり見かけなくなった道具類だから絶滅器具種としてある。

 さて、今回取り上げるのはこれである。


   「電工ナイフ」









  電工ナイフとは、主に電力線や電話線等の工事の際に、絶縁線の合成樹脂製の被覆を削ったり切り裂いたりして、内部の導線を露出する為の道具である。
  しかし最近は、ワイヤーストリッパーを用いる事が一般化し、ナイフを使う人が少なくなった。
  今はもうホームセンターや金物屋で電工ナイフを取り扱って無い店も多い。
   

 少し前まで見かけた一般的な電工ナイフ









  普通の電工ナイフは、折りたたむ事はできるがロック機構の無い背バネ式で、刃の先端は尖っていない。柄の素材は木で出来た物が多いが一部プラスチック製もある。刃の断面形状はホローグラインドの物が殆んどだが、古い製品の中にはフルフラットグラインドの物もあった。


   フルフラットグラインドの電工ナイフ











   中には鋸がついた物や、











  刃の形の変わった物もある。











  もう少し古いタイプの電工ナイフ。
  刃先が尖っている物が多い。それから、柄の部分が牛骨製の物もある。









   そもそも、日本の電工ナイフは、電気工事の為に特化したナイフではない。        元々存在していた折りたたみ式ナイフに「電工ナイフ」という新たな用途と名称を与えたに過ぎない。
  その起源は、西洋の船乗り達が用いていた、主にロープを切断したりする為の汎用ナイフだった。
  それが明治以降の日本の近代化に伴って海軍の装備に採用され、「海軍メス」と呼ばれて普及する事になる。

   「海軍メス」
    柄の部分は鹿角製が多いが、牛骨製もある。 









  そして、日本の敗戦によって需要を失った海軍メスはその後、名称を変え、姿も少しずつ変えながら何とか生き残ってきたのだが、やがてナイフに対する社会の風当たりはだんだん厳しくなって行く。それは、未成年によるナイフを使った犯罪がマスコミに報道され、問題視されたからだ。
  店頭で堂々とナイフを売る事が次第に難しくなり、折りたたみのナイフが日本で唯一活路を見出だした場が、電気工事という用途だった。電工ナイフという名称なら、工具売り場に置いてあっても何の問題も無い。実際に電気工事に使用するかどうかはあまり重要では無かったから、用途を限定しない何にでも使えるような形状を保ってきたのだろう。
   電工ナイフが生まれ、生き残ってきたのは、ナイフを作る側、売る側、そして使う側の都合がぎりぎりの所で噛み合った結果だったのではないだろうか。
  

  ちなみに、西洋の電工ナイフともいえる「エレクトリシャンナイフ」は、こんな形をしている。

   第二次大戦中の米軍通信兵用ナイフ、「TL-29」











  それから参考までに、戦後イタリア海軍で使われていた軍用ナイフ。









  このままだと近い将来電工ナイフは絶滅するだろうと思っていたのだが、最近ジェフコムという会社からこんな電工ナイフが売り出された。










  ホローグラインドで先が尖って無い事など刃の形状は共通しているが、他はだいぶ変わってしまっている。サムスタッドやクリップやライナーロックがついて、最近のアメリカのタクティカルナイフのようになってしまった。勿論この方が便利で使いやすいのは確かだし、日本製のナイフが形を変えてでも生き延びてくれれば有り難いのだが、果たしてこれらを電工ナイフと呼んで良いのだろうか。
  

2018年2月5日月曜日

今日のナイフ 5

  スパイダルコ  ストレッチ














   Spyderco  Strech

   スパイダルコ社(Spyderco  Knives, Inc.)は、アメリカ、コロラド州ゴールデンのナイフメーカー。1987年創業。
   スパイダルコの「ストレッチ」は、アウトドアのレジャーやスポーツの為のフォールディングナイフ。
   刃の素材は、日立金属安来工場で生産している「ZDP-189」という非常に硬いステンレス。ロックウェル硬さ(HRC)67以上という硬度を誇る。
   刃の断面形状はフルフラットグラインド。表面はヘアライン仕上げになっている。
   ハンドルの素材は、「FRN」というガラス繊維で強化したナイロンで出来ている。
   ハンドルについているクリップは、ボルトで固定されており、反対側や裏側に付け替える事も出来る。
   岐阜県の関市にある「ジー・サカイ」(ガーバー  サカイ株式会社)でOEM生産されている。

  スパイダルコのフォールディングナイフは、「サムホール」と呼ばれる丸い穴に親指をかけ、片手で刃を開く事が出来る。真円のサムホールはスパイダルコ社の特許になっている。
  開いた刃の固定はロックバック式。少し工夫すれば折り畳むのも片手で出来るようになる。

  この刃の素材、ZDP-189は本当によく切れるので、使う時は他の刃物以上に注意が必要である。見苦しいのでお見せ出来ないが、脛毛とかも簡単に剃れてしまう。
  因みにストレッチの刃の素材は、ZDP-189の他にVG-10が使われているタイプもある。

   
   

2018年1月21日日曜日

今日のナイフ 4

  ビクトリノックス  スイスチャンプ  XAVT














  VICTORINOX  Swiss Champ XAVT



  ビクトリノックス社(Victorinox  AG)は、スイスのシュヴィーツ州に本拠を置く、1884年創業のナイフメーカーである。

   このスイスチャンプXAVTは、一本に80種類の機能を備えたフォールディングナイフである。
 
   全部開くとこんな風になる。
    一応使えるけど、携帯するには大き過ぎて、実用性よりもメーカーの遊び心とか腕試しで作りましたという感じ。
   当然コレクターはこういうのに目がないので、つい買ってしまうのだが、これひとつでおなかいっぱいになってしまって、他のビクトリノックスの製品に対する物欲がわかなくなってしまうのが玉に瑕というかありがたいというか。
   
  こういった面白い製品が世の中にもっと増えてくれたらいいなあ。

2018年1月7日日曜日

今日のナイフ 3

  スパイダルコ  シビリアン   波刃















    Spyderco   Sivilian serrated edge

    アメリカのコロラド州ゴールデンにある刃ナイフメーカー、スパイダルコ (Spyderco  Knives, Inc. )社のフォールディングナイフ。
    名称のシビリアンとは、一般人とか文民とか非戦闘員とかいう意味だが、このナイフのデザインはとても凶悪な印象である。真偽の程は判らないがアメリカの法執行機関(警察機関)の要請で護身用に開発されたといわれている。
    しかし、鎌のように先が曲がったギザギザの刃の形状は、実はロープ等を切断するのに非常に好都合なのだ。特に水に濡れたロープは、普通のナイフだと刃が滑って切断に時間がかかるのだが、このナイフだといとも簡単に切れてしまう。
    因みに刃にあいている穴は折り畳まれた刃を開く時に親指を引っ掛ける為の物で、サムホールと呼ばれている。これによって片手で刃を開く事が出来るようになっており、たしかスパイダルコの特許になっていたはず。

    刃の素材は、福井県越前市の武生特殊鋼材(株)製のVG10(V金10号)というステンレス。
    ハンドルは、ガラス繊維とエポキシ樹脂を組み合わせたG-10という素材。
    クリップ付きで、ロックバック式。
    岐阜県の関市にある(株)ジー・サカイで製造されている。

2017年12月13日水曜日

今日のナイフ 2

    今日、前に注文していた6本のナイフが我が家に届いた。
    デンサンの電工ナイフである。
     
     上から
  1.  DK-670E
  2.  DK-670C
  3.  DK-670B
  4.  DK-670D
  5.  DK-670A
  6.  DKF-175 


   昔、電工ナイフに興味がわいて、いくつか集めてみた事がある。最近、ジェフコムという会社からデンサンというブランドで新製品が出ている事を知り、まとめて取り寄せてみた次第である。
   かつての電工ナイフは、殆どが背バネ式で、刃のロック機構が無かった。今回届いた物は全てライナーロック式になっている。しかも、6本中5本はハンドルにクリップがついており、1~5は刃にサムスタッドがつき、素材が鋼では無くステンレス(8cr13mov)になっている。
   果たしてこれらを電工ナイフと呼んで良いのだろうか。




折り畳んで裏返すとこうなる

 
 
     そもそも電工ナイフというのは便宜的な名称である。
     その起源は、ヨーロッパやアメリカの海軍で使われた折り畳み式のナイフだと云われている。それが日本に伝わり、海軍ナイフとか折メスとか呼ばれ、国内で生産されるようになった。
    やがて戦後になって、軍用ナイフだと生産や販売に支障を来すという事で、電気工事用のナイフとして売り出したらしい。
     だから西洋の電気工事用のナイフとは全く違う形をしている。

     日本の道具には、名が体を表さない物が多い。薬鑵でお湯を沸かしたり、洗面器を湯おけとして使ったり、茶碗で御飯を食べたり……。
    電工ナイフもそんな物のひとつなのだろう。

      上から

  1.  海軍折メス
  2.  古い電工ナイフ
  3.  割と最近の電工ナイフ
  4. 米軍のエレクトリシャン・ナイフ

2017年12月4日月曜日

今日のナイフ 1

スパイダルコ  ヨットマン



    ブレードの素材はH-1というとても錆びにくいステンレス。

    岐阜県関市で製造。

    とても良く切れるナイフで、脛毛を剃る事も出来ます。