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2025年9月9日火曜日

月虹

 


BOUQUET COMICS
月虹  ーセレス還元ー
水樹和佳

(前編)1982年6月20日 第1刷発行
(後編)1982年7月20日 第1刷発行
株式会社 集英社



▲「月虹  ーセレス還元ー 」は、少女漫画月刊誌「ぶ〜け」に昭和56年4月号から9月号まで連載されたSF作品。単行本化にあたって新たに50ページ加筆されている。物語の舞台は未来の荒廃した地球。既に大地も海も大気も汚染され、人類はこれから始まる核戦争によって滅亡しようとしている。盲目の主人公ソミューはハイウェイの事故に巻き込まれるが、不思議な力を持つ青年に救われる。その青年はソミューに「セレスの記憶を開放してくれ」と言うが、何の事か分からない彼女は戸惑う。という感じで始まる水樹和佳さん(後の水樹和佳子さん)の真骨頂とも言えるSFファンタジー。読んでいるとBGMに悲しく美しい旋律のピアノソナタがずっと響いているような気がしてくる、そんな作品だった。







2025年8月19日火曜日

灰色の御花

 


BOUQUET COMICS

灰色の御花
水樹和佳

1981年12月19日 第1刷発行
株式会社 集英社



▲昨日読んだ本。購入は3年前。収録作品は以下の3篇。


「灰色の御花」 
ぶ〜け昭和53年10・11月号に前後篇として掲載。全95ページ。物語の舞台は1947年のフランス・パリとスイス。

「夢追い人と桜の木」
りぼんデラックス昭和52年春の号に掲載。全61ページ。1960年代頃の日本の何処かが舞台。

「雪のひとひらに」
りぼん昭和51年2月号掲載。全30ページ。フランスの何処かが舞台。


今年で昭和100年だから、もう半世紀近く前に描かれた作品で、どの作品もいかにも古き良き時代の少女漫画然としたものばかり。後に段々と少女漫画は方向性を変えてドロドロした内容の作品が増えていくが、自分にはこんな少女漫画の黄金時代の美しくも儚い物語の方が性に合っている。3篇ともハッピーエンドなのも良いと思う。





2025年2月26日水曜日

天女恋詩

 

ぶ〜けコミックス

天女恋詩
水樹和佳

1981年11月19日  第1刷発行
株式会社 集英社



▲2022年7月にメルカリで10冊まとめて買った水樹和佳さん(現在は水樹和佳子さん)の単行本の中の1冊。掲載作品は下記の4篇。

●「天女恋詩」
(リボンデラックス 昭和52年夏の号掲載)

●「幻想銀河へ」
(ぶ〜け 昭和54年9月号)

●「クイニーと博士とetc…」
(リボンデラックス 昭和52年秋の号)

●「冬ふうりん」
(リボン 昭和50年12月号)

    内容はいかにも古き良き時代の少女漫画だが、どの作品も人の死がテーマになっている。








2022年7月31日日曜日

樹魔・伝説

 
ぶ~けコミックス
樹魔・伝説
水樹和佳

1980年12月20日  第1刷発行
株式会社 集英社


収録作品

「樹魔」
「ぶ~け」1979年12月号初出

「伝説」(樹魔の続篇)
「ぶ~け」1980年5月号~6月号初出


  時代は西暦2500年代。総質量が月の約2倍に及ぶ巨大流星群が地球に降り注いでから5年後の世界。南極で起こった異常事態の調査の為に、研究都市に所属するイオ・フレミング博士が派遣される。彼は「瞑想」と呼ばれる特殊能力の持ち主だった。

   一言で表現すれば、人類の進化をテーマにしたSF漫画なのだが、今となっては古典とも言える過去の様々なSF作品の影響を受けつつも、水樹さん独自の視点で纏められた、少女漫画の枠にとどまらない作品。後に描かれた「イティハーサ」に通じる彼女独特の発想と哲学が既にこの頃から垣間見えていて、非常に完成度の高い傑作だと思う。








2022年7月25日月曜日

褐色の童話

 
りぼんマスコットコミックス
褐色の童話
水樹和佳

1978年2月10日  初版発行
株式会社 集英社


▲先日、メルカリで水樹和佳さん(現在は水樹和佳子さん)の漫画が10冊まとめて出品されていたので購入させてもらった。これはそのうちの1冊。出品者様は静岡県の方。水樹さんの漫画は、今まで「イティハーサ」しか読んだ事がなかったのだが、かねがね他の作品も読んでみたいと思っていた。ただ、1冊ずつ買い求めていくのが面倒で、なかなか手を出せずにいた。でも、こうして10冊を一度に入手してみると、全部一気に読んでしまうのがひどく勿体無く思えてきた。ということで、これからゆっくり時間をかけて読み進めていきたいと思っている。

この本の収録作品は以下の5篇。

「褐色の童話」
りぼんデラックス1976年春の号初出

「花咲かぬ村の奇跡」
りぼんデラックス1976年秋の号初出

「かもめたちへ…」
りぼん1975年7月号初出(デビュー作)

「ローマ・終着駅発」
りぼん1977年4月号初出

「ユーフェミア」
月刊セブンティーン1975年11月号初出

   この本の表紙には「水樹和佳傑作集1」と記されているが、おそらく「水樹和佳傑作集2」は出版されていないのではと思う。