2021年9月30日木曜日

木通木葉

 


アケビコノハ
Eudocima tyrannus

   鱗翅目ヤガ科Eudocima属。幼虫はアケビ科、メギ科、ツヅラフジ科等の葉を食べる。成虫で越冬する。



▲近所の街灯の下で見つけたアケビコノハ。木の葉そっくりの外見で隠蔽的擬態をする彼等だが、アスファルトの上ではちょっと目立ってしまう。







   ▲後翅は鮮やかな黄色に黒い眼状紋。補食者を一瞬驚かせる効果があるとか云われているが、蛾の仲間は蝶のように同種間の認識に翅の模様を利用する事はないのだろうか。

















2021年9月29日水曜日

蛇舅母

 


ニホンカナヘビ
Takydromus tachydromoides

    有鱗目カナヘビ科カナヘビ属。日本固有種。カナチョロともいう。



   ▲ミョウガの葉の上にカナヘビがいた。いつも逃げられてばかりだけど、今回は撮影出来た。







   ▲全長25cm位の結構大きめのカナヘビ。最近小さいのしか見てなかったので、ちょっと嬉しい。










2021年9月28日火曜日

隻脚の蛙

 


モリアオガエル
Rhacophorus arboreus

無尾目アオガエル科アオガエル属。



   ▲桐の木の葉柄でくつろぐモリアオガエル。撮影した時は気付かなかったが、後で写真をよく見たら左脚の膝から先が無かった。何か他の動物に襲われて失くしたのか、それとも先天的な異常なのか。いずれにしてもこの状態で木に登るのだから大したものだと思う。







2021年9月27日月曜日

樟蚕 その2

 

クスサン(♂)
Saturnia(Caligula) japonica  japonica

    鱗翅目ヤママユガ科Saturnia (Caligula ) 属。幼虫はシラガタロウと呼ばれ、広食性で多様な樹木の葉を食す。蛹の繭はスカシダワラの名を持つ。卵で越冬する。



▲近所の街灯に今度はクスサンの雄がやって来た。左前翅がこんなに大きく破れているのに飛んで来れるのだから凄い。







▼9月28日追記


   ▲これも雄。これは左後翅が破れている。右触角も失われている。






    ▲これも雄。比較的傷みが少ない綺麗な個体。最近クスサンが少なくなったとか思っていたけど、そんな事は無いのかも。










2021年9月26日日曜日

鰕柄雀蛾

 

エビガラスズメ(♀)
Agrius convolvuli

     鱗翅目スズメガ科Agrius属。幼虫の食草は主にヒルガオ科の草本だが、その他の科の植物を食べる場合もある。蛹で越冬する。




   ▲近所の街灯の下にいたエビガラスズメの雌。普段静止している時は翅を閉じているが、ちょっと触ってみたら翅を開いておなかの模様を見せてくれた。同じスズメガ科でも、種によって静止中のポーズやその後の動作が違っているのが面白い。






2021年9月25日土曜日

樟蚕

 


クスサン(♀)
Saturnia(Caligula) japonica  japonica

    鱗翅目ヤママユガ科Saturnia (Caligula属。幼虫はシラガタロウと呼ばれ、広食性で多様な樹木の葉を食す。蛹の繭はスカシダワラの名を持つ。卵で越冬する。



▲夜間に近所の街灯の下で見つけたクスサンの雌。クスサンは昔に比べて数が減っているような気がする。スカシダワラも昔は家の周りのあちこちで見かけたのに、最近はほとんど見ない。気のせいだろうか。








    ▲我が家のトイレの窓にやって来た別個体。これも雌。









2021年9月24日金曜日

蛙も跳ばずば見つかるまい

 


ヤマアカガエル
Rana ornativentris

無尾目アカガエル科アカガエル属。日本固有種。



   ▲庭先で見つけたヤマアカガエル。枯れ葉の上でじっとしていたら、まず見つからないだろう見事な保護色。見つかってからじっとしても遅いと思うんだけど。







あけびの肉味噌詰め

 

      家の北側の藪(元は庭木)の中にあけびが生っていたので、早速収穫して料理してみた。




     普通は生のあけびの中に生の具を詰めて焼く事が多いが、今回は別の作り方をしてみた。まず、あけびの中身を取り出し、皮を塩茹でにする。そうする事であく抜きが出来るし、皮が柔らかくなる。塩は多めにし、あまり茹ですぎないようにする。中に詰める具材は冷蔵庫にある材料で良い。今回は、ぶなしめじ、牛肉、葱、枝豆、生姜。これらを味噌と一緒にオリーブオイルで炒める。火が通ったら茹でたあけびの皮に詰めて焼く。あけびが開かないように爪楊枝で固定すると良い。全体に少し焦げ目がついたら出来上がり。食べてみると、全く苦味がなく、しかも柔らかくて食べやすい。これなら苦い物が苦手な子供でも、歯の悪いお年寄りでも食べられるし、味についても今までで一番の出来だった。この作り方は正解だったようだ。







2021年9月23日木曜日

背中で歩く蟲

 



   鞘翅目コガネムシ科ハナムグリ亜科の1種の幼虫。



   ▲夜間に街灯の下でコガネムシ科の幼虫らしい地虫を見つけた。






▲何故か仰向けになって背中で這っている。





▲「背中で歩く虫」で検索してみたら、これはどうやらハナムグリ類の幼虫らしい。







▲こんなの初めて見た。






2021年9月22日水曜日

蠑螈

 


アカハライモリ
Cynops pyrrhogaster

   有尾目イモリ科イモリ属。別名ニホンイモリ、あるいは単にイモリとも呼ばれる。



▲夜間にアスファルトの上を歩くイモリ。


    イモリは凄い再生能力をもっている。肢や尾を切られても、骨まで完全に再生出来るらしい。また、眼球を抉られても元通りに治るそうだ。まるでドラゴンボールに出てくるピッコロみたいではないか。
    その上、身体にフグと同じテトロドトキシンという猛毒を持っているので、滅多に補食される事がない。おなかが赤いのは、私には毒がありますよ、食べない方が身のためですよ、という警告色なのだ。
    いや、待てよ。昔からイモリの黒焼きが、惚れ薬か何かに使われていたはず。あれは大丈夫だったのだろうか。食中毒で死ぬのは、昔は今より多かったからバレなかったのだろうか。恋慕の相手にテトロドトキシン入りの生薬を飲ませて、相手が死んだりしたら悲劇だと思う。






2021年9月21日火曜日

熨斗目蜻蛉

 

ノシメトンボ(♀)
Sympetrum infuscatum

蜻蛉目トンボ科アカネ属。


   ▲人差し指にとまるノシメトンボ。この種は他の種に比べて何となく人懐っこいというか、人に対して警戒心が薄いような気がする。指を出せば指にとまるし、頭や肩にとまる事もある。撮影している間も自分から離れようとはしなかった。











2021年9月20日月曜日

東北黒長筬蟲

 


トウホククロナガオサムシ(♀)
Carabus (Leptocarabus) arboreus parexilis

鞘翅目オサムシ科オサムシ属(クロナガオサムシ属)



   ▲夜間に街灯の下で見つけたトウホククロナガオサムシ。飛べないオサムシに走光性があるとは思えないので、車に轢かれた昆虫等の小動物の匂いに惹かれてやってきたのだろう。この辺りではそんなに珍しい種ではないが、走るスピードが速くてなかなかじっとしていてくれないので、出会っても捕まえずに撮影するのは難しい。お尻の所にいるのはシバスズ(Polionemobius mikado)だろうか。










2021年9月19日日曜日

片翼の蛾

 

ヒトリガ(♀)
Arctia caja

鱗翅目トモエガ科ヒトリガ属。


  ▲庭で左前翅の無いヒトリガを見つけた。普段は隠れている派手な後翅が丸見えになっている。翅がちぎれたわけではなく、羽化不全による奇形のようだ。もちろんこれでは飛べるはずもなく、歩いて移動する事しか出来ない。






▲除草剤や殺虫剤等の化学物質が原因だろうか。ヒトリガの幼虫は広食性でほとんど何でも食べるので、それがかえって仇となる事もあるのだろう。雄がどこかから飛んで来てうまく交尾してくれさえすれば、こんな状態でも子孫を残す事が可能かも知れない。幼虫が広食性なら卵を産む場所を選ぶ必要もない。







2021年9月18日土曜日

螻蛄 

 


ケラ(♀)
Gryllotalpa orientalis



直翅目ケラ科ケラ属。

    夜間にアスファルトの上を歩くケラ。ケラは土を掘るだけでなく、地上を走り、空を飛び、水面を泳ぐ事が出来る万能の昆虫。どこにでも見られる身近な虫だが、まだまだ分からない部分があるらしい。従来日本産のケラは1種だと云われていたが、先島諸島のケラは本土産とは別種のタイワンケラ(Gryllotalpa formosana)だという説もある。あと、成虫で越冬するのは短翅型で、幼虫で越冬して6月頃に羽化したのは長翅型になるそうだ。それが本当だとすると、写真のケラは後翅が長いので、産卵を終えたら冬を越せずに死んでしまう事になる。










2021年9月17日金曜日

黄色雀蜂

 
キイロスズメバチ
Vespa simillima xanthoptera

    膜翅目スズメバチ科スズメバチ属。日本のスズメバチ類の中では最も大きな巣をつくる。巣の中の蜂の数は1万匹に達する事もあるという。


    ▲鉢植えの植物に水をやっていたら空から降ってきたキイロスズメバチの死体。おそらく屋根の上にあったのが風で飛ばされて落ちてきたのだろう。よく見てみるとかなり毛深いのが分かる。









 

2021年9月16日木曜日

小形雀蜂

 

コガタスズメバチ
Vespa  analis  insularis

膜翅目スズメバチ科スズメバチ属。



▲自宅庭で見つけたコガタスズメバチ。





▲近所の建物の軒に巣を発見。直径15cmくらい。巣の入り口で1匹の働き蜂がこちらを睨んでいる。







2021年9月15日水曜日

札幌髭長花虻

 



サッポロヒゲナガハナアブ(♂)
Chrysotoxum sapporense

双翅目ハナアブ科ヒゲナガハナアブ属。



   ▲玄関の下駄箱の扉にとまっていたヒゲナガハナアブ属の1種。この属の生態はまだほとんど何もわかっておらず、分類についても確定していない部分が多い。とりあえずこれはサッポロヒゲナガハナアブという事にしておいたが、確信はない。模様がクッキリハッキリしていて、体表がツルンとしていて毛深くない。アブにしては美しい種だと思う。






2021年9月14日火曜日

緋縅蝶

 


ヒオドシチョウ
Nymphalis xanthomelas japonica

    鱗翅目タテハチョウ科タテハチョウ属。幼虫はエノキやヤナギ類の葉を食べる。成虫で越冬する。



▲捕まって死んだふりをするヒオドシチョウ。何故か自分の部屋の中にいた。前日窓を開けっ放しにしていたのでその時からいたのか、それとも玄関から入って来たのか。翅の裏は非常に地味なので、こんな風に死んだふりをして地面の枯れ葉に紛れていたらなかなか見つからないだろう。
    




   ▲でも翅の表側はとても派手な色彩をしている。可視光では雄も雌も同じ色だから性別を見分けるのは難しい。でも蝶には紫外線が見えるので、多分見分けられるのだと思う。








2021年9月13日月曜日

タイガーモス

 

ヒトリガ
Arctia caja


    鱗翅目ヒトリガ科ヒトリガ属。最近の分類ではトモエガ科に含まれるらしい。英名は「タイガーモス」。ユーラシアから北米までの広い範囲に分布する。幼虫はクマケムシと呼ばれ、様々な植物を食べる。幼虫で越冬する。

    家の近くの街灯の下で見つけたヒトリガ。幼虫は毛がふさふさで愛らしく、成虫も派手な色彩とモフモフした見た目がぬいぐるみのようでかわいい。でも体液に神経毒が含まれているらしいので、食べる事は出来ない。
いや、普通は食べないだろうけど。








2021年9月12日日曜日

天蚕 その3

 


ヤママユ(繭)
    Antheraea yamamai yamamai       

鱗翅目ヤママユガ科ヤママユ属。


  ▲家のすぐ近く、コナラやミズナラの樹の下で拾ったヤママユの古い繭。枯れ葉がついているので、おそらく去年作られた物だろう。横に小さな穴が開いているが、こんな小さな穴からヤママユが出てこられるわけはないので、どうやら寄生蜂のコンボウアメバチ(Habronyx insidiator)にやられたようだ。





▲同じ物を反対側から見ると大きく破れている。鳥にでもつつかれたのだろうか。







▲もうひとつ古い繭を見つけた。





   ▲こちらは上に大きな穴が開いているので、きっと無事に羽化出来たのだろう。